武田薬品は24日、欧州で販売する一般用医薬品(OTC)および医療用医薬品ポートフォリオの一部、ならびにデンマークおよびポーランドに所在する2つの製造拠点をノンコア資産として、急成長を遂げているデンマークの製薬企業のOrifarm社に譲渡すると発表した。
Orifarm社への譲渡については、一定のクロージング条件を満たし、必要な規制上のクリアランスの取得を前提に、最大約6 億7000万米ドルで譲渡する契約を締結している。
Orifarm社に譲渡するポートフォリオには、様々な一般用医薬品や食品サプリメントが含まれているほか、デンマーク、ノルウェー、ベルギー、ポーランド、フィンランド、スウェーデン、バルト諸国およびオーストリアを中心に販売する呼吸器、抗炎症、循環器、内分泌領域の医療用医薬品の一部が含まれている。
これらのポートフォリオの2018年度の売上高は、咳嗽/感冒および一般用医薬品のビタミン製品、ならびに医療用医薬品の Warfarin および Levaxin の力強い伸長により、約2 億3000万ドルであった。今回、譲渡対象となる製品群は、引き続き患者のニーズを満たす重要な役割を担うが、武田薬品の長期的成長を牽引する主要ビジネスエリア(消化器系疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患))には該当しない。
武田薬品Europe & Canada Business Unit PresidentのGiles Platford 氏は、「本譲渡により、当社は主要ビジネスエリアにおける取り組みをさらに優先し、強化することが可能になる」と強調している。
同社Chief Financial Officer のCosta Saroukos氏も、「本譲渡は、ポートフォリオを簡素化し、レバレッジ低下を加速するための継続的な戦略の実行であり、今後も主要ビジネスエリアへの投資に注力していく」とコメントしている。
武田薬品は、過去12カ月間に約100億米ドルのノンコア資産売却目標に向けた一連の譲渡案件を発表し、主要ビジネスエリアへの注力を推進してきた。同社は、本年3月、ラテンアメリカにおけるノンコア資産をHypera Pharma 社に 8 億2500万米ドルで譲渡することを公表し、また、ロシア・CISにおいて STADA社へ6 億6000万米ドル、中近東・アフリカにおいてAcino社へ2億米ドル以上のノンコア資産の譲渡完了を公表。加えて、昨年7月、 Novartis 社への最大53億米ドルでのXiidraの譲渡を完了している。
武田薬品は、同譲渡で得られる資金を引き続き負債の減額に充て、2021年度から2023年度に純有利子負債/ 調整後 EBITDA 倍率を 2 倍にする目標に向け、迅速なレバレッジ低下をさらに加速させていく。