小野薬品は25日、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤の「ベレキシブル」について、同日、「再発又は難治性の中枢神経系原発リンパ腫」の効能効果で国内製造販売承認を取得したと発表した。これにより、ベレキシブルは、標準治療が確立していない再発または難治性の 中枢神経系原発リンパ腫(PCNSL)患者の治療薬として世界で初めて承認されたBTK 阻害剤となる。
同承認は、再発または難治性のPCNSL患者44 例を対象にベレキシブルを1日1回、経口投与による有効性および安全性を評価する多施設共同非盲検非対照P1/2相試験(ONO-4059-02)の結果に基づくもの。
今回、承認された用法及び用量である480mg(空腹時)が投与された17例において、主要評価項目である中央判定による全奏効率(ORR)は52.9%(9/17 例)であった。主なグレード 3~4 の副作用は、好中球減少、白血球減少および高トリグリセリド血症で、各々11.8%(2/17 例)に認められた。
なお、小野薬品は、昨年11月27日に「原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫」に対する効能又は効果に係る申請も行っている。
PCNSLは、初発時に病変が脳脊髄(眼を含む)に局在する悪性リンパ腫であり、日本におけるPCNSL の年間発症数は約980人と推定されている。PCNSL 患者が呈する徴候および症状は病変部位により異なり、局所神経障害、神経精神症状、頭蓋内圧上昇に関連する症状、発作、眼症状、頭痛、運動困難、脳ニューロパチー、神経根障害などがある。
現在、未治療PCNSL患者には高用量メトトレキサート療法を基盤とする薬物療法およびその後の全脳放射線療法が行われており、一部の患者集団で長期寛解するものの、多くの患者は再発に至る。
また、薬物療法が奏効しない難治性患者も存在する。再発または難治性の PCNSL患者に対しては、標準治療が確立されておらず、治療選択肢は限定的であり、新たな治療薬が望まれている。