リムパーザ 膵がん維持療法で希少疾病用医薬品の指定取得  アストラゼネカ

 アストラゼネカは19日、リムパーザがBRCA 遺伝子変異陽性の治癒切除不能な膵がんにおける維持療法として、希少疾病用医薬品指定を取得したと発表した。
 厚労省は、患者が5万人未満で、アンメットニーズが高い疾病の治療を目的とした医薬品に対して、希少疾病用医薬品指定を行っている。膵がんは、一般的ながんの中で生存率が最も低く、主ながんの中で唯一、5年生存率がほとんどの国で10%未満に留まっている。
日本は、世界で5番目に膵がんの発症率が高く、その治療は過去数十年あまり進歩が見られていない。
 今回の指定は、日本で初めてバイオマーカーにより選定された進行膵がん患者さんに対して分子標的薬の使用が可能になった重要な一歩として期待されている。
 海外P3試験(POLO試験)において、リムパーザは生殖細胞系列のBRCA遺伝子変異陽性転移性膵がん患者の病勢進行または死亡に至るまでの期間をほぼ2倍に延長した。
 具体的には、プラセボ群の無増悪生存期間(PFS)の中央値が3.8ヵ月であったのに対し、リムパーザ投与群では7.4ヵ月であった。なお、POLO試験におけるリムパーザの安全性および忍容性プロファイルは、これまでの試験とほぼ一致している。

リムパーザは、2019年に生殖細胞系列のBRCA遺伝子変異陽性転移性膵がん患者さんの一次化学療法後の維持療法として米国で承認取得をしており、欧州およびその他の地域においても承認審査中。

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