アストラゼネカは13日、切除不能なステージⅣ(転移性)膀胱がん患者を対象としたイミフィンジおよびトレメリムマブのP3試験(DANUBE試験)で、主要評価項目である全生存期間(OS)の延長を達成できなかったと発表した。
DANUBE試験は、腫瘍細胞および、または腫瘍浸潤性免疫細胞でPD-L1が高レベル(25%以上)で発現した患者へのイミフィンジ単剤療法、およびPD-L1発現を問わない患者へのイミフィンジとトレメリムマブ(遺伝子組換え)の併用療法を標準治療の化学療法と比較したもの。
イミフィンジ単剤療法、およびトレメリムマブとの併用療法の安全性および忍容性プロファイルは、これまでの試験と一致しており、同試験のデータは今後の学会で発表する予定。
イミフィンジは、切除不能な局所進行性または転移性膀胱がん患者を対象としたP3試験(NILE試験)においても、化学療法との併用療法、または化学療法とトレメリムマブとの併用療法で開発を実施中。
加えて、早期の膀胱がん患者を対象に化学療法との併用療法でP3相のNIAGARA試験、標準治療であるBCG免疫治療との併用療法でP3相のPOTOMAC試験が行われている。
イミフィンジは、米国を含む15カ国で、プラチナ製剤を用いた化学療法による治療歴がある、局所進行性または転移性膀胱がん患者に対して承認されている。
アストラゼネカオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントのJose Baselga氏は、「当社は、膀胱がん患者のアンメットニーズと治療アウトカムを改善する免疫治療の可能性に引き続き取り組んでいく」と明言。
さらに、「今回の試験結果は、膀胱がんにおける当社の包括的なP3開発プログラムにとって有益な情報と考えている。我々は、転移性膀胱がんの1次治療を対象としたP3試験(NILE試験)結果にも期待しており、加えて早期の膀胱がん患者のために引き続き臨床試験を進めていく」とコメントしている。