大日本住友製薬は6日、年賀式を開催し、野村博社長が2020年の年頭挨拶を述べた。主な要旨は次の通り。
昨年4月に、2033年に「グローバル・スペシャライズド・プレーヤー」の地位を確立することを目指し、5 か年の中期経営計画2022(2018~2022 年度)を公表した。
また、非定型抗精神病薬「ラツーダ」の米国での独占販売期間終了後も当社グループの持続的な成長を実現するために、Roivant 社との戦略的提携の契約を締結し、昨年末に手続きが完了した。本提携により、2022 年度までに上市が期待される開発品を含む多数のパイプランを獲得することに加え、獲得したデジタルプラットフォームを活用することにより当社グループ全体の研究・開発・生産・販売等の効率化、生産性の向上を図る。
2020 年は、本戦略的提携を順調に立ち上げ、当社グループの将来の成長に繋げていくための基盤づくりの年となる。2020年は、精神神経領域では、米国においてアポモルヒネ(パーキンソン病に伴うオフ症状)およびdasotraline(過食性障害)の承認、日本においてルラシドン(統合失調症および双極性障害うつ)の承認が期待される。
がん領域では、ナパブカシンの結腸直腸がんを対象にしたフェーズ3試験結果が判明する予定である。
再生細胞医薬分野では、他家iPS細胞由来の5つのプログラムを着実に進めていく。その他の領域では、Roivant社との戦略的提携によって獲得したレルゴリクスおよびビベグロンの早期承認取得を目指す。
日本事業では、幅広い作用機序の糖尿病治療剤を提供する製薬会社として、この領域でドクターから一番頼りにされる会社になるために尽力し、2021年度に予定しているimegliminの上市に繋げたいと考えている。
中期経営計画で掲げた「ちゃんとやりきる力」は、一人一人がプロフェッショナルであり、社会の変化をとらえ、成果を意識した明確な目標を設定し、的確な優先順位付けのもと、粘り強く物事を進め、プロフェッショナル集団として一致団結してやりきることである。
その結果として個々が最大限に力を発揮し、仕事を楽しめたという達成感を味わうことができる。「働き方改革」は、限られた時間の中で如何に成果を最大化できるかということがテーマで、両者は仕事の仕方について異なる角度から同じことを言っていると考えられる。
社員の皆さんが、限られた時間内で業務目標を「ちゃんとやりきる」ためにはどうしたら良いかを工夫し、完遂した結果として充実感のある一年を過ごされることを期待している。