武田薬品は3日、グループ会社のシャイアー・ジャパンが、同日、血友病A治療薬の遺伝子組換え型血液凝固第VIII因子製剤「アドベイト静注用キット(一般名:ルリオクトコグ アルファ)を新発売したと発表した。
「アドベイト静注用キット」は、衛生的で簡単に製剤の溶解操作が行えるよう従来の「アドベイト静注用」を改良し、薬剤・注射用水・溶解デバイスを一体化したキット製剤である。同様のキット製剤の半減期延長型血友病A治療薬「アディノベイト静注用キット」は、すでに発売されている。
「アドベイト静注用」は、細胞培養・精製・製剤化工程のいずれにおいても、血漿やアルブミン、ウシ由来成分等のヒト及び動物由来タンパクを全く添加しない製法(プラズマ/アルブミン フリー製法)で製造されてる。
世界でも日本国内においても10年以上の実績を持っており、2019年8月現在、世界74カ国で承認されている。今回発売されたキット製剤である「アドベイト静注用キット」は、世界17カ国で販売されている。
「アドベイト静注用」は薬剤と注射用水を溶解デバイスに接続する操作が必要としたが、「アドベイト静注用キット」はそれらを一体化することで、上から押すだけ溶解できるワンアクションでの簡単な操作性を実現した。
また、バイアルのゴム栓が露出しておらず、デバイスの針に触れることもないため、これまで以上に衛生的に溶解できる。
薬価は、アドベイト静注用キット250=2万2431円、同500=4万1553円、同1000=7万6977円、同1500=11万0405円、同2000=14万2600円、同3000=20万4526円。
日本では、約5000人の血友病A患者がいると報告されており、血友病においては、1回の出血が関節内出血による関節症や頭蓋内出血による重篤なダメージにつながるケースがあり、患者に与える影響が大きいと言われている。
近年の血友病治療においては、定期補充療法を実施し、「出血ゼロ」を目指す治療の達成が新たなテーマとなっている。