令和元年の神農祭 賑やかに開催

左から小野氏、別所宮司、塩野氏、森下氏

 大阪の「止めの祭り」の神農祭が22・23日の両日、大阪道修町の少彦名神社で開催され、6万人超の参拝者が詰めかけた。令和元年の記念の年となった今年の祭典委員長は、小野功雄氏(小野薬品取締役常務執行役員)、祭典副委員長は森下雄司氏(森下仁丹代表取締役社長)が務めた。
 塩野元三薬祖講講長(塩野義製薬代表取締役会長)は、「今年は、天皇陛下御即位と令和改元の良き年の祭礼となった」と強調。さらに、「参拝者も年々増加の一途を辿っており、本年も大勢の人で賑わった。大阪道修町の神農祭をさらに発展させていきたい」と抱負を述べた。
 道修町通りでは、人気者の“くすりのゆるキャラ”が大集合し、たなみん(田辺三菱)やシンヤくん(日本新薬)、「正露丸くん」などお馴染みのキャラクターが道修町通りを練り歩き、祭りを盛り上げた。

薬のゆるキャラ大集合


 また、宵宮祭に開かれた第27回道修町文化講演会では、松本尚子氏(大阪科学技術館普及事業部課長)が「もっとおいしく~味のひみつ」、森岡利伊子氏(フラコミュニティ liko-hina主宰)が「日本と深い繋がりを持つハワイの文化~古典フラ」をテーマに講演。
 本宮には、第4回神農祭記念アンチエイジングデイ日本抗加齢協会市民公開講座が「人生100年時代のアンチエイジング」をメインテーマに開催され、医科歯科が連携した睡眠時無呼吸治療による心血管疾患、糖尿病、肥満予防や、2025年大阪万博の「10歳若返るパビリオン」企画構想に120名の参加者が熱心に耳を傾けた。
 
医科歯科連携による健康寿命延長と「10歳若返るパビリオン」構想を紹介
 市民公開講座

森下氏

 第4回神農祭記念アンチエイジングデイ日本抗加齢協会市民公開講座では、森下竜一氏(大阪大学大学院医学系研究科遺伝子治療学教授)が座長を務め、志水秀郎氏(大阪歯科大学内科学教授)が「医科歯科連携によるアンチエイジングの取り組み」、髙島正広氏(髙島クリニック院長)が「2025年万博でのメインテーマはアンチエイジング」をテーマに講演した。
 志水氏は、まず、「寿命を規定している遺伝子要因は15%に過ぎず、残りの85%は生活習慣で補える」と指摘し、アンチエイジングの重要性を強調。
 睡眠時無呼吸(SAS)と合併症リスクにも言及し、「SAS患者は、高血圧約2倍、心疾患約3倍、脳血管障害約4倍、糖尿病約1.5倍発症率を増加させる」と紹介した。
 さらに、大阪医科大学附属病院では、睡眠歯科外来で「口腔内装置」、「CPAP治療」、「睡眠検査依頼」、睡眠無呼吸外来(医科)で、「睡眠検査」、「CPAP以外の治療」を実施しており、前者の2割が医科へ、後者の6割が医科以外への紹介を行っている実態を紹介。

志水氏


 その上で、「医科歯科連携の強力なサポートにより、健康寿命は伸ばせる」と訴求した。
 髙島氏は、「アンチエイジングと言えば、女性の美容、しみ、しわ、たるみ防止のイメージが強いが、実際は元気で長寿を享受する医学的な実践を意味する」と断言。
 さらに、アンチエイジングでは、「老化を病気として捉えて治す概念」が重要で、「老化は受精の瞬間から始まっているため、10歳若返るパビリオンの外観はタマゴをイメージする予定である」と報告した。

髙島氏


 一方、パビリオン内には、「10歳若返る旅」、「歳をわすれるエリア」、「AIコミュニケーションエリア」、「生きがいに気付く世界」、「しあわせレストラン」、「こころのエリア」を開設。
 その中で、「脳年齢、肌年齢、筋肉年齢を計り、若返るために必要なサプリや運動指導、海外との交流、パンビリオン開設のためのふるさと納税などの企画を展開する」考えを明かした。

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