大阪府薬剤師会は21日、定例記者会見を開催し、藤垣哲彦会長が、「薬剤師による認知症の人へのアシスト」の重要性を強調し、12月21日にOMM展示ホール(大阪市中央区)で開催される「薬剤師認知症対応力向上研修会」への参加を呼び掛けた。また、大阪府の後発医薬品使用促進にも言及し、「大阪府の後発医薬品使用率は75%で全国平均の77.6%に比べて遅れを取っているが、推進に向けて尽力している」と力説した。
大阪府薬では、2016年度から、認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)に基づく「薬剤師認知症対応力向上研修会」を開催しており、本年度で4回目を迎える。
同研修会は、薬剤師が、認知症の人への支援体制構築の担い手となることを目的としたもの。国が薬剤師・歯科医師の研修を推奨しており、薬剤師については「2020年度までに、全国で6万人の終了証(研修を受けた人に配布)交付」を目指している。
尾島博司副会長は、薬局に来る人に対する認知症の“気付きの重要性”を指摘し、「認知症の兆候があると気付いたら、主治医、家族に繋げてほしい」と訴えかけた。
さらに、薬局で判る認知症の兆候として「小銭入れがパンパンに張っていても小銭を出さずに、1000円札、1万円札を出してお釣りをもらう」、「薬局を出る時に、帰る方向が判らない」などの行動を紹介した。
一方、大阪府の後発医薬品(GE)の使用促進は、全国的にみて使用率が低く、重要な課題の一つになっている。
GE促進の具体的な施策として、大阪府薬では、後発医薬品の使用促進モデル地区(泉南、門真、八尾など)を決めて後発医薬品使用による医療費削減効果などを弾き出す事業を2018年度より展開している。
藤垣会長は、19年度の同事業展開について「府下全体に拡大して実施している」と説明し、「薬剤師はGEの正確な知識を収集して、患者さんに丁寧に説明することが、使用促進の大きな手立てになる」と断言。
その上で、具体的な施策として「大阪府薬では、患者さんに先発品と後発品の同等性を説明するためのパネルを作って、全会員薬局に配布している」と報告した。
また、大阪府内の薬局開設者に対して、10月16日付で、薬務課から薬機法に基づく業務改善が出された問題にも触れ、「薬剤師以外の者が散剤の直接計量や調剤を行っていた」とその概要を説明。
さらに、「0402の通知は、薬剤師職能が“物から人へ移行する”ためのもので、薬剤師が居ないのをフォローするものではない」と訴えかけ、「どのように0402通知を解釈すべきについて注視される時期に、あのような事件が起こったのは、非常に残念である」とコメントした。