70歳定年関連調査で7割が現会社での勤務を希望     定年後研究所

 定年後研究所(東京都)は、10月1日の「生涯現役の日」を前に、「70歳定年/雇用延長」時代に備え、「第2回『70歳定年』に関する調査」を実施した。その結果、 65歳以降の7割が「現在の会社での勤務」を希望していることが分かった。
 その一方で、兼業、起業、フリーランス、ボランティアといった「社外に目を向けた働き方」を理想とする人は、約15%であった。
 同調査は、40代以上のビジネスパーソンの、65歳以降の働き方や働くために生じると想定される不安などの明確化を目的としたもの。8月23日から3日間、定年制度のある組織に勤務し、65歳以降も働き続けたいと考える40~64歳の男女516人を対象に、インターネットで全国エリアに渡って実施した。516人の内訳は、40代男女各103人、50代男女各103人、60代前半男女各52人。
 主な調査結果は次の通り。
 1.「70歳定年」に対し、65歳以降も働くことを希望する人の理想の働き方は、「現在と同じ会社」での勤務で、7割がそれを理想としている。一方、兼業、起業、フリーランス、ボランティアといった「社外に目を向けた働き方」を理想とする人も約15%いた。
 65歳以降も「現在と同じ会社」での勤務を理想とする理由は、「今の生活に満足」(21.3%)というよりも、「今の生活を変えたくない」(70.5%)、「安定した収入が得たい」(47.4%)が多数を占めた。
 兼業・起業・フリーランス・ボランティアを理想とする理由は、「のんびり暮らしたい」(44.9%)「社会とのつながりを持っていたい」(30.4%)など。
 2.理想の働き方を「実現できる可能性あり」と回答した人は全体の50.4%。65歳以降「今の会社での勤務」を実現できる可能性は51.4%であった。どの年代も女性に比べ男性の実現可能性の方が高く、50代では女性42.6%に対し、男性56.3%と、約14ポイントも高い。
 理想の働き方を阻害する要因は、「65歳時点で老後の蓄えが十分にできていると思えないから」や「年金だけでは十分な暮らしができないので年金に加えて安定的な収入が必要」など経済的な理由が多かった。
 3.仕事上の不安を解消するための準備では、「脳の老化を防ぐために鍛えておく」、「朝食、昼食、夕食それぞれの食事改善をする」、「50代から自分のキャリアを振り返り、将来のキャリアの方向性を模索する」、「複数の専門性を磨く」などが挙げられた。
 生活上の不安解消には、「40代、50代のうちから、60歳以降の毎月の家計のシミュレーションをしておく」、「40代、50代のうちから、65歳以降のお金に関するアドバイスを受ける」など経済的な理由に加え、「親の介護が必要になったときに備えて、相談できる人や専門機関を見つけてておく」などの回答が多く見られた。

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