新潟大学医歯学総合病院臨床研究推進センターの中田光教授らを中心とする研究グループ(全国12施設)は5日、厚生労働省で会見し、指定難病である自己免疫性肺胞蛋白症の病因解明に基づく新しい治療法を開発したと発表した。
新治療法は、自己免疫性肺胞蛋白症に対し、サイトカインであるGM-CSFを吸入するもので、中田氏らは同疾患に対するGM-CSFの治療効果を世界で初めて科学的に証明した。
指定難病自己免疫性肺胞蛋白症の病因解明、血清診断法開発、治療法開拓まで一貫して達成したのも研究成果の大きなポイントの一つになっている。
同疾患に対する現在の有効な治療法として全肺洗浄法が挙あるが、患者への負担が大きい。新しい治療法は、自宅で治療することができ、何よりも患者にとって負担の少ないことを特徴とする。
中田氏らの研究は、日本医療研究開発機構(AMED) 2015年度難治性疾患実用化研究事業「自己免疫性肺胞蛋白症に対する酵母由来組換えGM-CSF吸入の多施設共同医師主導治験」の支援を受けて実施したもの。
2016年から続けてきた日本医療研究開発機構の難治性疾患実用化研究事業における研究開発課題「自己免疫性肺胞蛋白症に対する酵母由来組換えGM-CSF吸入の多施設共同医師主導治験」及び日本肺胞蛋白症患者会のサポートによる成果として注目される。
なお、同研究成果は、The New England Journal of Medicine(9月5日号)に掲載される。