大日本住友製薬は、10日より非定型抗精神病薬「ロナセンテープ 20mg、30mg、40mg」を国内で新発売する。同剤は世界で初めて統合失調症を適応症として承認された経皮吸収型製剤として注目されている。
ロナセンは、大日本住友製薬が創製した化合物で、ドパミンD2、D3受容体およびセロトニン5-HT2A受容体にアンタゴニストとして作用し、臨床試験において、統合失調症の陽性症状(幻覚、妄想など)のみならず、陰性症状(情動の平板化、意欲低下など)に対する改善作用が示す。
同社は、「ロナセン錠/散」を 2008 年 4 月より国内で販売。その後、ロナセンの血中濃度推移の更なる安定化を図るため、経皮吸収型テープ製剤の設計技術を有する日東電工と2010年より同剤の共同開発を進め、本年6月18日に製造販売承認を取得した。
ロナセンテープは1日1 回、皮膚に貼付すれば24時間安定した血中濃度を維持できるので、良好な有効性および安全性が期待できる。また、テープ製剤の特長から、貼付の有無や投与量を視認できるメリットに加え、食事の影響を受けにくいため、食生活が不規則あるいは経口服薬が困難(嚥下困 難等)な患者への投与も可能である。
薬価は、ロナセンテープ 20 ㎎:1 枚278 円 40 銭、同30㎎:1枚 401 円 30 銭、同40 ㎎:1 枚520円20 銭。