塩野義製薬は23日、グラクソスミスクラインとファイザーとの合弁会社ヴィーブ社が開発した長期作用型注射剤の抗HIV治療薬「カボテグラビル」が、P3相試験(ATLAS-2M試験)で主要評価項目を達成した発表した。
ATLAS-2M試験は、48週時点のウイルス学的失敗基準に合致する患者の割合を主要評価項目とし、長期作用型注射剤カボテグラビルと長期作用型注射剤リルピビリン(ヤンセン社)8週間毎投与群の、同2剤4週間毎投与群に対する非劣性検証を目的としたもの。
48週時点におけるカボテグラビルとリルピビリンの8週間毎投与によるウイルス抑制効果は、4週間毎投与に対して非劣性を示した。さらに、安全性、ウイルス学的反応、薬剤耐性について、4週間毎投与で実施されたATLAS試験と同様の結果を示した。
同試験結果の詳細は、今後学会でヴィーブ社より発表する予定。
今回のATLAS-2M試験結果より、HIV感染患者が1年に6回の治療でウイルス抑制を維持できることが示された。患者の利便性がさらに向上することでHIV治療におけるパラダイムシフトが期待される。
なお、カボテグラビルとリルピビリンの月1回投与の2剤レジメンについては、ヴィーブ社が米国、欧州、カナダで新薬承認申請を行っており、米国におけるFDAの審査終了目標日(PDUFA date)は本年12月29日となっている。
なお、同件が2019年度業績に与える影響は軽微である。