夏の贈り物にぶどうをいただきました。二種類の立派なブドウで、箱には「皮をむかずにそのままお召し上がりいただけます」と短冊がありました。
長女が中学生の頃にニュージーランドから交換留学生団を迎えたことがあります。彼らはマーマイトというジャムをお土産として紹介してくれました。はじめてのマーマイトの食感は塩辛のようで、これがジャムなのかしらと不思議に思いました。その留学生たちに、ニュージーランドではブドウは皮ごと食べると聞きました。今回のブドウは品種改良の絶品と思いますが、彼らの食していたブドウは20年も前からそのような品種だったのでしょうか? それとも、硬い皮も食べてしまう、そういう食べ方だったのでしょうか? 今回の短冊で、20年も昔にタイムスリップして当時の楽しいことを思い出しました。食べ物にまつわるできごとは、よく記憶しているものです。
ブドウと言えば、先日ワインの勉強会に行きました。大好きなワインですから興味津々で、ブドウの産地や種類、製法などを学びました。皮ごと作る製法もあります。ワインのためのブドウづくりは痩せた土地の方が良いことや、ごく一部の地域で作られたスパークリングワインをシャンパンと言うことなど、知らなかったことがたくさんあり、勉強になりました。なんとかブロンズクラスをクリアし、次はシルバークラスにのぞみます。シルバークラスではワインとお料理を合わせるマリアージュについて学びます。マリアージュにも産地や種類が大いに関わっているとのこと。味覚と記憶を豊かにする挑戦です。
さて、ブドウにはポリフェノールが沢山含まれています。特に皮や種の部分に多く、これはガンや動脈硬化の予防に効果があります。ほら、やはり皮ごといっちゃってください。また、アントシアニンという色素成分は、目の疲れや目の病気など、視力回復につながる重要な役割を果たします。ブドウすごいです。なんとか医療に結びつけることができました。
これから医療に関するエッセイを書かせていただきます。日常の新鮮な経験を医療に結びつけて紹介できればと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
薬剤師 宮奥善惠