薬局の連携体制整備のための検討モデル事業を推進       大阪府薬

 大阪府薬剤師会は、厚労省の「令和元年度薬局の連携体制整備のための検討モデル事業」の一環として、「入退院時の情報共有を軸とした各種薬学的管理の提案検討事業(事業費1703万円)」を展開する。10日の定例記者会見で、藤垣哲彦会長が明らかにしたもの。
 同会見では、「19年度大阪府薬分業施策」、「大阪府薬認定かかりつけ薬局の地下鉄つり革によるPR」も報告された。
 「令和元年度薬局の連携体制整備のための検討モデル事業」については、藤垣氏が「18年度の病院と薬局の情報共有事業は、堺などモデル地域を選定して実施した。既に実績も出ており、これをどのように広げていくか、足りないところを如何に補っていくかが今後の課題になっている」と説明。その上で、「19年度は国のモデル事業として、大阪府全域の医療圏11ブロックで展開していく」考えを示した。
 19年度は、「入退院時の連携シートのしっかりとした運用」、「服薬情報のフォローアップ」、「地域薬局間の協力体制の強化」などを中心に、地域の特性に合わせた施策が実施される。
 厚労省の「令和元年度薬局の連携体制整備のための検討モデル事業」には、大阪府薬以外にも次の4団体が採択されている。
 高知県(実施事業名:高知版包括ケアシステムを支える高知型薬局連携モデルの整備)、滋賀県(ICTを活用した継続的薬学管理実践のための連携体制整備事業)、上田薬剤師会(地域における多種連携のためのかかりつけ薬剤師・薬局機能強化推進事業)、長崎県薬剤師会(ICTを利活用した多職種連携および薬局機能の充実)
 「19年度大阪府薬分業施策」については、堀越博一常務理事が、「府民のためのかかりつけ薬剤師・薬局機能の強化をメインテーマに、大阪府薬全体の事業計画も踏まえて従来よりかなりスリム化したのが特徴になっている」と説明した。
 同施策の主要項目は、1「薬剤師・薬局機能の向上」、2「大阪府民への啓発」、3「地域・職域薬剤師会間連携の支援」で構成されている。
 薬剤師・薬局機能の向上では、「薬機法・薬剤師法改正に伴う対応」、「在宅医療に取り組む薬局の充実」、「健康サポート機能の充実」、「適正薬物治療の推進」、「KPIのさらなる周知」を列挙。
 大阪府民への啓発は、「お薬手帳(電子お薬手帳を含む)のさらなる啓発」、「ジェネリック医薬品の使用促進」、「かかりつけ薬剤師・薬局機能の見える化の推進」
 地域・職域薬剤師会間連携の支援は、「ブロック研修会の活性化」、「各種啓発資材の利用活用の促進」など。
 

 「大阪府薬認定かかりつけ薬局の地下鉄つり革によるPR」は、地下鉄御堂筋線の前から5両目の1車両の吊革60~66本をジャックして「大阪府薬認定かかりつけ薬局を啓発するプレート(写真)」を装着。6月7日より1年間、なかもず~千里中央間を1日平均8~9往復走行させる。大阪府薬認定かかりつけ薬局数は、726軒(本年3月末現在)で、大阪府薬会員保険薬局の1/5程度。


       

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