薬のまち道修町の歴史と未来が調和した街並みの維持・発展を目的とする道修町再生プロジェクトの道路整備工事が、本年11月よりスタートする。同プロジェクトは、道修町通りの「無電柱化による景観向上と災害時リスクの低減」、「人にやさしいフラットな道路、人の賑わいの舞台となる道路作り」、「多様な歴史が共生する魅力ある街並みの演出」をコンセプトとしたもの。
今回の道路整備工事は、少彦名神社、塩野義製薬、田辺三菱製薬、大日本住友製薬、小野薬品、日本新薬などの社屋が林立する道修町2~3丁目沿道を対象に、20年度末の完成を目指す。道修町1、4丁目については、次の課題としている。
今後の道修町再生プロジェクトスケジュールの詳細は、19年7月末を目途に大阪市との事業協定書を締結。これに先立ち、未確認事項を詰めた上で3回目の地権者説明を実施し、11月に道修町2丁目の道路整備工事に着工する。
20年度は、道修町3丁目の道路整備工事着工し、2~3丁目の道路整備工事、電線・通信線切替工事を完了。電柱を抜去する予定だ。
道修町再生プロジェクト遂行に地元組織として尽力しているのが「道修町まちづくり協議会」だ。同協議会設置は、14年に大阪市が「かんまち事業(観光魅力向上のための歴史・文化的まちなみ創出事業)」の一環として道修町周辺を整備個所の一つに選定したことに端を発する。
組織構成は、会長:土屋裕弘氏(田辺三菱製薬相談役)、副会長:大橋達夫氏(集英連合振興町会・船場倶楽部会長)、常任理事:別所賢一氏(少彦名神社宮司)、國枝卓氏(関西医薬品協会理事長)。会員数84名(19年3月末現在)
5月22日に大阪市内で開かれた大阪薬業クラブ第7回公益助成事業報告会で、道修町まちづくり協議会の活動状況について発表した島田尚彦氏(同協議会事務局長)によると、今回の道路整備事業のデザインイメージは、くすりのまちの「みらいの参道」
道修町の新しい形として“カルチェ・メディカ”(医薬・界隈)を目指すもので、①「フラットなみち」で遊歩を促す②「灯籠の列」でまちなみを整える③「余白のしつらえ」で賑わいをさそうーを特徴とする。
並行して、道修町筋に隣接する日本バルクビル、TMBビル、新芝川ビル屋上で、緑化ワインプロジェクトが推進されているのも見逃せない。
同プロジェクトは、ビル屋上でワイン用ブドウを栽培し、屋上緑化を進めるとともに、収穫したブドウを原料に「大阪ワイン」を作るというもの。
島田氏は、「緑化ワインプロジェクト3年目となる令和元年度には、ぶどうの収穫をワインンの完成が期待できる」と笑顔で話す。
また、神農祭の本宮(11月23日)には、3年前から毎年、日本抗加齢学会が主催し、道修町まちづくり協議会が講演する「市民公開講座 アンチエイジング特別イベント」が開催されている。
道修町まちづくり協議会に対する大阪薬業クラブからの助成金は、16年度60万円、17年度50万円、18年度50万円。これら助成金は、同協議会活動に掛かる、広報活動費、アドバイザー・コンサル等業務委託費、その他運営経費の一部として活用されている。