アストラゼネカは7日、カルケンスについて、慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)に対する適応追加申請を日本で実施したと発表した。
同申請は、国内P1相試験および国際共同P3相試験(ELEVATE-TN 試験)の結果に基づくもの。ELEVATE-TN試験は、未治療のCLL患者を対象に、カルケンスの単剤療法またはカルケンスとオビヌツズマブの併用療法を、標準化学免疫療法である chlorambucil とオビヌツズマブの併用療法と比較し、有効性と安全性を検討した試験である。
慢性リンパ性白血病(CLL)は、欧米ではもっとも患者数の多い白血病だが、日本および東アジアでは稀な疾患と見なされており、新たに診断される人は、日本全国で1年間に10万人当たり1人未満である。
カルケンスは、日本において「再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」の治療薬として承認されている。米国・EU をはじめ78か国以上の国々では、未治療のCLLにおいても治療薬として承認されている。
◆大津智子アストラゼネカ 執行役員研究開発本部長のコメント
今回の申請により、CLL 治療におけるカルケンスのベネフィットをさらに拡大できると期待している。CLL 治療における課題として、『忍容性の維持と長期の症状コントロール』があるが、P3相ELEVATE-TN 試験のデータでは、カルケンスは良好な忍容性を維持し、臨床的に意義のある無増悪生存期間の延長を示した。
カルケンスの単剤療法および併用療法が、未治療のCLL患者さんにとって1日も早く新たな選択肢となるよう、引き続き努めていく。