小野薬品は28日、オプジーボについて、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が25日に、根治切除後の再発リスクが高いPD-L1発現レベルが1%以上の筋層浸潤性尿路上皮がんの成人患者の術後補助療法として承認を推奨したと発表した。
同社と提携するブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が25日に公表したもの。CHMPの推奨は、今後、欧州連合(EU)で医薬品を承認する権限を持つ欧州委員会(EC)によって審査される。
肯定的な見解は、全無作為化患者およびPD-L1発現レベルが1%以上の患者の両方において、オプジーボがプラセボと比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無病生存期間(DFS)の延長を示したP3相CheckMate-274試験の結果に基づいている。
オプジーボは、この設定での無作為化プラセボ対照臨床試験において、再発なく患者の生存期間の中央値を有意に改善した最初で唯一の免疫療法薬である。
オプジーボの忍容性は、全体的に良好で、安全性プロファイルはこれまでに報告されたオプジーボの固形がん患者における試験のものと一貫していた。CheckMate-274試験の結果は、2021年2月、米国臨床腫瘍学会泌尿器がんシンポジウムで初めて発表され、2021年6月にはニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン誌に掲載された。
オプジーボは、2021年8月に米国でPD-L1の発現レベルにかかわらず、根治切除後の再発リスクが高い尿路上皮がん患者の術後補助療法として承認されており、現在、世界で申請の審査が進められている。
これまでに、オプジーボによる治療法は、膀胱がんの術後補助療法、悪性黒色腫、食道/胃食道接合部がんおよび非小細胞肺がんの術前補助療法を含め早期ステージのがん腫を対象とした4つのP3試験で臨床的に意義のある有効性を示している。
◆Dana Walker(M.D.、M.S.C.E.)BMS泌尿生殖器がん領域バイスプレジデント兼開発プログラム責任者のコメント
高リスク筋層浸潤性尿路上皮がんの根治切除は、患者さんの生活の質に大きな影響を及ぼす可能性がある。残念ながら術後補助療法の治療選択肢は限られており、大手術に耐えてもなお、約50%の患者さんが再発を経験する。
CheckMate-274試験の結果に基づき、オプジーボは、高リスク筋層浸潤性尿路上皮がん患者さんの無病生存期間を有意に延長した最初で唯一の免疫療法薬である。
CHMPの肯定的な推奨を受け、有効かつ忍容性が良好な術後補助免疫療法の選択肢により、欧州連合の患者さんに早期に疾患の経過を変えるチャンスを提供できる日に向けて、一歩前進することができた。