アクジーナ(核酸解析プラットフォーム)の機能追加でmRNA医薬品・ワクチン開発のさらなる加速支援 三井情報

 三井情報(本社:東京)は、核酸医薬品の創薬における探求・開発・品質管理作業を自動化する「核酸解析プラットフォーム AQXeNA(アクジーナ)」に新たな機能を追加し提供を開始した。
 この機能追加により、核酸医薬のみならずmRNAワクチンの研究開発・品質管理における核酸の解析作業が効率的かつ正確に行えるようになった。三井情報はAQXeNAの提供を通じて、核酸・mRNA医薬開発のさらなる加速を支援していく。
 近年、治療困難な疾患を対象とした次世代創薬の新たな創薬手法(モダリティ)として、従来の医薬品とは異なる治療効果を及ぼす仕組みを持つ核酸医薬への期待が高まっている。
 さらに、新型コロナ感染症の発症予防を目的としたmRNAワクチンの短期開発を切っ掛けに、mRNAをモダリティとした医薬品が世界中で注目されてる。
 こうした中、三井情報は2020年6月に公表した核酸解析を支援する「AQXeNA」に複数の機能を追加し、研究者がAQXeNAを使ってmRNAの構造解析を簡便に実施できるようにした。これにより、研究者は医薬品開発における解析作業が更に正確かつ効率的に行える。
 AQXeNAの主な機能追加は、次の通り。

① 参照用データベースの拡充によるmRNAへの対応
 mRNAのキャップ構造における特有のフラグメントイオンを、AQXeNAが同定する際に参照するデータベースへ追加し、対象とする物質の種類を決定(同定)できるmRNA配列の種類が増えた。
 mRNAのキャップ構造はmRNAの安定性と働きに関与し、mRNA医薬の研究開発において重要な役割を担っている。

② 修飾配列のバリエーション生成機能および核酸の欠失を考慮する機能を追加
 AQXeNAが核酸やmRNAにおける修飾の置換や核酸の欠失を考慮したシミュレーションにより、構造の一部に変化を持つ関連物質を同時に検出できるようになった。
 従来は、測定時に定義した構造のみ同定できていたが、今回の機能追加によって予期しない関連物質の解析作業が大幅に削減できる。

③ 各質量分析装置ベンダーのデータフォーマットに対応
 AQXeNAへ質量分析データの内部変換を実装し、各質量分析装置ベンダーのデータフォーマットへの対応により、質量分析装置のベンダーに依存せずに核酸およびmRNAの解析ができるようになった。

 三井情報では、産学連携を通じて得られた研究結果を、IT技術と組み合わせて社会実装することにより、約半世紀にわたり国内外のバイオインフォマティクス分野に貢献してきた。
 同社は今後も、バイオサイエンス、創薬およびヘルスケア分野におけるIT利活用の促進を通じて、全人類の健康と発展を支援していく。

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