ノババックス社製遺伝子組み換え新型コロナワクチン 国内製造販売承認申請  武田薬品

 武田薬品は16日、ノババックス社製の遺伝子組換えタンパク新型コロナワクチン「 TAK-019(海外開発コード:NVX-CoV2373)」について、厚労省に製造販売承認申請を行ったと発表した。
 今回の申請には、日本において実施中の本ワクチンの免疫原性および安全性を評価する国内P2試験の成績を含む。また、英国ならびに米国およびメキシコで実施した2つの臨床ピボタルP3相試験を含むノババックス社が実施した5万人以上の被験者を登録したグローバル臨床試験の安全性および有効性データが含まれる。
 武田薬品は、技術移管を含むノババックス社との提携を通じて、国内自社工場で同ワクチンの生産能力の整備を進めており、承認取得後、2022年初頭の供給開始を目指している。
 国内臨床試験の中間成績では、健康な日本人成人を対象に、0.5mLを21日間隔で2回投与することにより、SARS-CoV-2 に対する強固な免疫反応が誘導されることが示された。同ワクチン投与群において重篤な有害事象は認められず、同ワクチンへの忍容性も良好であった。
 これらの結果は、今までに報告された同ワクチンのグローバル臨床試験の結果と同様であった。2つの臨床ピボタルP3試験も主要評価項目を達成し、同ワクチンはそれぞれ全体で 89.7%、90.4%の有効性を示した。
 両試験において、同ワクチンの安全性および忍容性プロファイルが確認された。武田薬品は、本年12 月現在で入手可能なすべての CMC(化学・製造・品質管理)、非臨床および臨床データを提出した。
 製造販売承認申請の審査期間中に、一部の CMCデータを医薬品医療機器総合機構(PMDA)に追加提出する予定だ。
 なお、武田薬品は、厚労省のワクチン生産体制等緊急整備事業および国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)のワクチン開発推進事業により、ノババックス社の新型コロナワクチン候補を日本国内において生産するための技術移転・生産設備の整備・供給及び研究開発に係る助成を受けている。

◆今川昌之武田薬品日本ワクチン事業部事業部長のコメント
 本日の申請は、日本の皆様に新型コロナ感染症の予防に対する安全かつ有効なワクチンを提供するという当社のコミットメントを更に高めるものである。
 安全性と品質は当社の最優先事項であり、当社のワクチンの生産および流通が、可能な限り高い基準を満たすように努めていく。

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