アッヴィは11日、インターロイキン-23(IL-23)阻害薬「リサンキズマブ」について、中等症以上のクローン病治療薬としてFDAに承認申請したと発表した。対象は、中等症から重症のクローン病を有する16歳以上の患者。用法・用量は、静脈内(IV)投与による寛解導入療法として600 mg、皮下(SC)投与による維持療法として360mg。
今回の申請は、3つのP3試験(ADVANCE試験、MOTIVATE試験およびFORTIFY試験)で得られた安全性および有効性のデータに基づくもの。
米国での承認申請に向けた、寛解導入療法試験であるADVANCE、MOTIVATE両試験の解析計画において、リサンキズマブの2つの用量のIV導入療法(600 mgおよび1200 mg)のいずれかの用量を投与されたクローン病の患者に関して、主要評価項目である12週時の臨床的寛解および内視鏡的改善の達成率が、プラセボ群と比較して有意に高い結果を示した。
一方、FORTIFY試験は、リサンキズマブ寛解導入療法により臨床的改善がみられた患者さんを、無作為にプラセボ群またはリサンキズマブによる維持療法群に割り付けた試験。
米国での承認申請に向けたFORTIFY試験の解析計画では、主要評価項目である1年時(52週時)の内視鏡的改善および臨床的寛解を達成した患者さんの割合は、プラセボのSC投与を受けた群(プラセボ群)と比較して、リサンキズマブのSC投与を受けた2つの用量(360 mgおよび180 mg)群で有意に高い結果であった。
ADVANCE試験、MOTIVATE試験およびFORTIFY試験において、中等症から重症のクローン病患者さんを対象に評価された各用量でのリサンキズマブの安全性プロファイルは、これまでに確認されているリサンキズマブの安全性プロファイルとおおむね一致していた。
リサンキズマブは、ベーリンガーインゲルハイムとアッヴィの業務提携の一環で、アッヴィが世界的に開発と販売を主導している。
◆アッヴィ研究開発部門シニア・バイス・プレジデント兼最高科学責任者(CSO)のトム・ハドソン氏のコメント
治療の進歩にもかかわらず、クローン病の患者さんの中には持続的な寛解を達成できていない人も多く存在する。身体を消耗させ、予後が予測できないケースも多いこの疾患と闘う患者さんのために、新たな治療選択肢をお届けするという当社の取り組みの中で、今回の申請は重要な一歩となる。