新型コロナは段階的なランクダウンで5類程度が適切 杉並区 柿田医院院長 柿田豊 

 私も以前からコロナは、段階的なランクダウンでの5類程度の扱いが適切と考えていました。
 それはコロナを軽視しているからではなく、そうすれば保健所や医療機関の負担がかなり軽減され、重症例の対応に集中できるはずだからです。
 現状では医師がコロナと診断した場合、直ちに保健所に報告する義務があります。日に1-2例なら大したことありませんが、最近は10例を越えることもあり、そうなると報告作業だけで小一時間かかります。保健所も報告を受けたら患者さんに連絡して状況聞き取りをして、濃厚接触者の認定やクラスター調査の必要性を判断し、症状によっては病院との仲介をします。
 これを5類程度にすればわれわれの報告義務は無くなり、保健所も現在業務破綻の主因になっている無症状〜軽症者対応が不要になり、本来の業務に戻れます。
 報告義務はなくなってもインフルエンザのような発生動向調査は保健所主導で行われますが、仕事量は激減します。また濃厚接触者の認定も不要となり、それに基づくPCR検査の依頼が無くなることは、医療機関の負担軽減に繋がります。
 ただしここまで国民の不安が広がっている以上、全くインフルエンザと同じ扱いまでにランクダウンするのは難しいかもしれないので、可能な部分から徐々に緩めるのが得策かと考えます。
 現状の全例報告は廃止して、医師が中等症〜重症と判定した場合のみ届け出るようにするとか、隔離も完全解除はハードルが高そうなので、ワクチン接種済みのスタッフの個人防護具の基準を下げるとか、できる部分から縛りを無くしていくという考え方が良いと思います。
 イベルメクチンは、現時点でコロナに対して特効薬と呼んで良いほどエビデンスレベルが高い薬剤ではありませんが、厚労省が暫定的に使用を認めているもので、使えるものなら使ってみたいのですが、私の周囲の薬局や卸問屋では在庫がなく実質処方できないのが現状です。

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