塩野義製薬は28日、InveniAI社(本社:米国コネチカット州)と、InveniAI社が有するAI創薬プラットフォームAlphaMeldを用いた精神・神経系領域におけるマルチターゲット創薬に関する共同研究契約を締結したと発表した。
InveniAI社が有するAlphaMeldは、過去10年以上にわたって培われたデータセットをもとに構築された機械学習アルゴリズムだ。特定の疾患に関連する標的分子を選定するだけでなく、その疾患に関連する周辺の因子を可視化することで、関連する複数の標的やその標的に対する既存薬の提唱を可能とするAI創薬プラットフォームである。
InveniAI社がAlphaMeldを用いて選定し、その関連会社であるBioXcel Therapeutics社が開発している化合物において、臨床での有効性が確認されている。
今回の契約締結により、塩野義製薬はAlphaMeldによる中枢・神経系領域の特定の疾患に対する創薬標的の探索が可能となる。特に、複数の因子が絡み合う中枢・神経系疾患においては、標的探索や評価系の構築、ツール化合物の探索に膨大な時間とコストが必要であるが、今回の提携により、標的およびその組み合わせを効率よくかつ網羅的に探索できるようになるため、これらの課題解決に要するリソースの軽減と、創薬の迅速化が期待される。
塩野義製薬は、同契約の締結に伴う一時金、今後の開発進展に応じたマイルストン、ならびに製品上市後の販売額に応じたロイヤリティーをInveniAI社に支払う。
なお、同件が2022年3月期の連結業績予想に与える影響については現時点では未定であるが、今後の状況の変化により、業績に与える影響を認識した時点で速やかに公表する。