武州製薬は19日、スズケンと、日本市場への新規参入目指すスペシャリティ医薬品メーカーの製品上市における総合支援を目的としたプラットフォーム構築の業務提携契約を締結したと発表した。
近年、革新的なスペシャリティ医薬品の上市が増加している。それに伴い、日本市場への新規参入を目指す医薬品メーカーも増加しつつある。
これらの医薬品メーカーは、製造工場や物流センター、流通ネットワークなどのアセットを持たず、最小限のリソースにより日本市場への参入を目指すケースが多く、製造・メーカー物流・医薬品卸などの委託パートナーの選定を短期間で実施する医薬品メーカーが多数を占めている。
スズケングループは、業界大手として国内の医薬品流通業の中核を担い、スペシャリティ医薬品の国際輸送から日本国内における流通ネットワークを保有している。
一方、武州製薬は、20年以上にわたり日本国内で医薬品受託製造事業を展開するとともに、世界各国のGMP認証を保有し、輸出申請国が43カ国以上といった実績がある。
両社が機能融合することで、日本市場への新規参入を目指すグローバル医薬品メーカーにワンストップで総合支援が可能となるプラットフォームを構築していく。
今回の提携内容は、次の通り。
(1)製造業務および物流業務をワンストップで受託可能な物流センターを埼玉県草加市に共同で構築
スズケンが新たに構築を予定している「首都圏物流センター(埼玉県草加市)」内に、武州製薬が製造業務受託できるエリアを設置する。これにより、両社が協働して、スペシャリティ医薬品のMAH(医薬品承認取得者の呼称)コンサルティングをはじめ、輸入、検査、製造、保管(メーカー物流)および卸流通、さらにはPMS(市販後調査)、患者サポートまでワンストップで受託することが可能となる。
加えて、スズケングループが展開するキュービックスシステムと連動させることで患者に届くまでの高品質な物流を効率良く提供する。
(2)スズケングループの中央運輸「加須医薬品共同物流センター」内に「武州製薬 加須パッケージングセンター(仮称)」を設置し、当社が受託製造を開始
スズケンの連結対象子会社である中央運輸(代表取締役社長:赤澤善博氏)の「加須医薬品共同物流センター」に新設した443坪の広大な保冷エリアを活用し、武州製薬が得意とする検査、表示、包装といった二次包装を中心とした受託製造が可能となる。
(3)日本市場への新規参入を目指す医薬品メーカー向けに、米国において共同提案営業を開始
スズケンの連結対象子会社であるエス・ディ・コラボ(代表取締役社長:副島秀継氏)を含めたスズケングループ各社と武州製薬は、両社で情報連携、機能開発、人材交流を実施するとともに、武州製薬における業務委託先(所在地:ノースカロライナ州)と共同で、日本市場への新規参入を計画しているスペシャリティ医薬品メーカーへの共同提案営業を開始する。