ロシュ・ダイアグノスティックスは6日、全自動遺伝子検査装置を用いて新型コロナウイルスの変異の有無を判定する研究用試薬「コバス SARS-CoV-2 variant set 1」を8日に発売すると発表した。同試薬は、一回の検査でN501Y、E484K、del 69-70の3種類の変異について同時判定できるのが大きな特徴で、全自動で3種類の変異を同時に確認できる検査薬は国内初となる。 「コバス SARS-CoV-2 variant set 1」は、リアルタイムPCR法を原理とする当社の全自動遺伝子検査装置コバス6800システム、またはコバス8800システムを使用し、英国株、ブラジル株、南アフリカ株の系統などに見られる3種類の変異、N501Y、E484K、del 69-70を同時に検出できる研究用試薬だ。
新型コロナウイルス検査で陽性が確認された検体に対して、本試薬で検査を行うことで、感染しているウイルスが変異を有しているか判別できる。
コバス6800システムまたはコバス8800システムで使用されるこの検査には、核酸抽出から増幅・検出までの全工程が含まれ、約3.5時間で最大96テストの測定結果を提供する。8時間の稼働で提供できる測定結果は、コバス6800システムでは計384テスト、コバス8800システムでは計960テスト可能で、結果は、変異ごとに自動で判定され、システム画面上に表示される。
ロシュ・ダイアグノスティックスは、新型コロナウイルスの変異を判別する研究用試薬VirSNiPを2021年2月に国内で初めて発売した。今回、ハイスループットシステム対応の研究用試薬の導入により、国内の新型コロナウイルス変異株の蔓延防止および検査体制拡大へのさらなる寄与が期待される。