アストラゼネカは12日、イミフィンジについて、再発性または転移性頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)の一次治療を対象としたP3相KESTREL試験において、主要評価項目である腫瘍にPD-L1を高発現している患者での全生存期間(OS)延長が達成できなかったと発表した。また、イミフィンジとトレメリムマブ(遺伝子組換え)の併用療法においても、副次評価項目である全ての患者を対象としたOSの延長は認められなかった。
KESTREL試験は、一次治療を受ける再発性または転移性HNSCC患者に対する国際多施設共同無作為化非盲検試験。同試験では、イミフィンジ単剤療法またはイミフィンジと2種類目の免疫治療薬であるトレメリムマブとの併用療法を、標準治療であるEXTREMEレジメン(セツキシマブ+シスプラチン/カルボプラチン+5-フルオロウラシル)と比較検討したもの。
Dave Fredricksonアストラゼネカエグゼクティブバイスプレジデント兼オンコロジービジネスユニット責任者は、「転移性頭頸部がんは複雑かつ治療困難な予後の悪い疾患である。今回の結果は残念だが、P3相KESTREL試験から得られた知見は、当社の臨床開発プログラム全体における免疫治療への理解とその応用を前進させるものである」と明言。
さらに、「我われは引き続き、効果が得られる可能性のあるすべての患者に新たな選択肢として免疫治療を届けるべく、早期肺がんや小細胞肺がんにおいて確立されたイミフィンジのベネフィットをさらに強化していく」とコメントしている。
なお、イミフィンジの単剤療法およびイミフィンジとトレメリムマブの併用療法の安全性および忍容性プロファイルはこれまでの試験と一貫してした。試験データは今後公表する予定。
イミフィンジによるHNSCCに対する治療は本邦未承認である。また、トレメリムマブも本邦未承認である。