中国のノン・コア資産を3億2200万米ドルで Hasten社に譲渡  武田薬品

 武田薬品は21日、中国で販売しているノン・コアの医療用医薬品ポートフォリオを、中国合肥市肥東県が出資し、Ray Capitalが設立したHasten社に譲渡する契約を締結したと発表した。同社は、一定の法律上・規制上のクロージング条件を満たすことを前提に、Hasten 社から3 億2200万米ドルを受領する。
 今回、Hasten社に譲渡する製品は、中国本土で販売されている循環器・代謝性疾患領域の製品である。譲渡対象製品の2019年度の売上高は、約1億950万米ドルであり、Ebrantilなどの循環器疾患領域の医薬品が成長を牽引した。今回譲渡対象となる製品群は、引き続き患者ニーズを満たす重要な役割を担うが、グローバルでの長期的な成長戦略である同社の主要エリア(消化器系疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患))には該当しない。
 武田薬品Growth & Emerging Markets Business Unit PresidentのRicardo Marek氏 は、「中国は当社にとって重要な市場であり、当社は、複雑かつ希少な疾患に罹患する患者に革新性の高い治療薬をいち早くお届けするために取り組んでいる」と説明。さらに、「今回の譲渡により、急速にイノベーションが進展している中国および新興国地域へのフォーカスとリソースが強化される。また、当社は、Ray Capitalのもと、Hasten社が最適なパートナーとして中国におけるこれらの信頼性の高い医薬品を継続的に届けるものと確信している」とコメントしている。
 武田薬品は、同譲渡で得られる資金を引き続き負債の減額に充て、2021年度から2023年度に純有利子負債調整後EBITDA倍率を2倍にする目標に向け、レバレッジ低下をさらに加速していく。

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