小野薬品は26日、オプジーボについて、欧州委員会(EC)が、食道がん(転移性食道扁平上皮がん)のセカンドライン治療薬とし承認したと発表した。24日にブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が明らかにしたもの。
適応対象は、フルオロピリミジン系薬剤とプラチナ系薬剤の併用化学療法の治療歴を有する切除不能な進行・再発または転移性食道扁平上皮がん(ESCC)の成人患者。
ECの決定は、日本の小野薬品がスポンサーとして実施したP3試験(ATTRACTION-3試験)の結果に基づいている。
同試験では、オプジーボが、化学療法と比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある全生存期間(OS)の改善を示した。
オプジーボの安全性プロファイルは、化学療法と比較して良好であり、他の固形がんにおいてこれまでに報告されたオプジーボの試験のものと一貫していた。
欧州連合における今回の承認に加え、オプジーボは、切除不能な進行・再発または転移性 ESCC患者のセカンドライン治療薬として、米国および日本を含む世界5カ国で承認されている。
ATTRACTION-3試験の有効性および安全性結果P3相ATTRACTION-3試験の主要評価項目はOS であり、オプジーボは、化学療法と比較して、死亡リスクを 23%低減した[ハザード比(HR)0.77;95% 信頼区間(CI):0.62 – 0.96;p=0.019]。
OS の中央値は、オプジーボ群で10.9カ月(95% CI:9.2 – 13.3)、化学療法群で 8.4 カ月(95% CI:7.2 – 9.9)であり、オプジーボ群が 2.5カ月の延長を示した。
オプジーボ群の12カ月および 18カ月生存率は、それぞれ 47%(95%CI:40 -54)および31%(95% CI:24-37)、化学療法群では 34%(95% CI:28-41)および21%(95% CI:15-27)であった。
オプジーボ群による生存ベネフィットは、腫瘍のPD-L1発現レベルにかかわらず認められた。
奏効率(ORR)は、オプジーボ群で 19%(95% CI:14 – 26)、化学療法群で 22%(95%CI:15-29)と、両群で同等であった。
奏効期間(DOR)の中央値は、オプジーボ群で 6.9 カ月(95% CI:5.4-11.1)、化学療法群で3.9カ月(95% CI:2.8-4.2)と、オプジーボ群で大幅に改善した。
患者報告アウトカムの探索的解析では、化学療法群と比較して、オプジーボ群で生活の質の全体的な改善が有意に示された。治療に関連する有害事象(TRAE)の発現数は、化学療法群よりもオプジーボ群で少なく、グレードを問わない TRAEの発現率は、オプジーボ群で66%、化学療法群で 95%であった。
グレード3~4の TRAE の発現率も、化学療法群よりオプジーボ群で低く(オプジーボ群 18% vs 化学療法群63%)、投与の中止につながるTRAEの発現率は、両群で同等であった(9%)。
BMS消化器がん領域開発責任者のIan M. Waxman(M.D.)氏は、「今回の承認は、欧州連合で初めて、この患者集団で承認された治療選択肢であり、食道扁平上皮がんの患者にとって非常に重要なマイルストーンとなった」と強調。さらに、「今後、ベネフィットを得られる可能性のあるより多くの適格患者にオプジーボを届けられるように、欧州のステークホルダーと共に取り組んでいく」とコメントしている。