アストラゼネカは、9月21日、リムパーザについて医薬品評価委員会(CHMP)が前立腺がんに関する適応で、欧州での承認を勧告したと発表した。
同勧告は、新規ホルモン製剤を含む前治療後に進行が認められた、BRCA1/2遺伝子変異陽性(生殖細胞系列変異および/または体細胞変異)のmCRPC成人患者に対する治療を対象とするもの。
今回の欧州医薬品庁(EMA)のCHMPの肯定的見解は、P3相PROfound試験のBRCA1/2変異陽性の患者を対象としたサブグループ解析の結果に基づいている。同試験の主要な結果は、本年5月にThe New England Journal of Medicine( https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1911440 )に掲載された。
前立腺がんは、男性において2番目に罹患率が高いがんであり、2018年には世界中で推定130万人が新たに前立腺がんと診断された。また、約12%のmCRPC患者にBRCA遺伝子変異が認められている。
アストラゼネカオンコロジー研究開発担当エグゼクティブバイスプレジデントのJose Baselga氏は、「mCRPCと診断された患者は治療選択肢がほとんどなく、これまで予後は不良であった。今回のリムパーザの承認勧告により、全生存期間を延長できる唯一のPARP阻害剤を提供することにさらに一歩近づいた」と明言。
さらに、「BRCA遺伝子検査が、EUでの進行前立腺がんの診断と治療の決定において、今後非常に重要な手順となる」と予測した。