
塩野義製薬は7日、アフリカの母子支援活動「Mother to Mother SHIONOGI Project1」の第三期事業として実施してきたケニア共和国およびガーナ共和国の活動が完了し、母子保健および医療アクセスに関する各種指標が改善されたと発表した。
同活動は、ケニア共和国では国際NGOワールド・ビジョン・ジャパン、ガーナ共和国ではジョイセフとのパートナーシップのもと行われたもの。
同プロジェクトは、塩野義製薬が2015年にケニア共和国で開始した母子保健支援活動だ。第一期・第二期事業を通じて、保健医療施設の整備や人材育成などに取り組み、母子保健サービスへのアクセス向上と地域保健システムの強化を進めてきた。
それぞれの活動地域で整備した診療所の運営を自治体に引継ぎ、第一期事業は2021年7月に、第二期事業は2023年12月に完了。両事業を通じて得た学びとネットワークを活かして、第三期事業を2023年6月より開始した。
第三期事業の支援地であるケニア共和国ナクル県ギルギル準県では、1つの保健センターに利用者が集中し、必要な保健医療サービスを十分に受けられない状況があった。
また、子どもの発育阻害や低体重、家庭での衛生施設(トイレ)の環境にも課題があり、子どもの下痢症も問題となっていた。
同プロジェクトでは、国際NGOワールド・ビジョンとともに、保健施設の整備、医療従事者の技能強化、母親同士のコミュニティグループを活用した地域啓発活動、水・衛生(WASH)分野の取り組みを一体的に推進。
保健施設の整備や医療従事者の技能強化により、各保健施設の診療能力が向上し、妊産婦や子どもが身近な保健施設で保健医療サービスを受けやすい環境が整った。
その結果、産前健診や産後ケアの利用が促進されるなど、母子保健サービスへのアクセスが改善した。さらに、学校やコミュニティでの継続的な衛生啓発活動を通じて地域住民の衛生行動も改善し、下痢症や低体重児の発生減少につながった。これらの取り組みは、ギルギル準県における母子の健康状態の改善を後押しし、妊産婦死亡率および5歳未満児死亡率の低下にも貢献した。

一方、ガーナ共和国イースタン州アッパー・マニャ・クロボ郡では、出産に対応できる保健施設への物理的アクセスや衛生環境に課題があり、5歳未満児の死亡原因の一つとして下痢性疾患が大きな課題となっていた。
同プロジェクトでは、ジョイセフとともに、産科棟や妊婦待機所、診療所および医療従事者宿舎の建設を通じて、安全な施設分娩を支える医療インフラを整備するとともに、医療従事者の技能強化や地域住民への保健・衛生教育を実施。
医療インフラの整備や医療従事者の技能強化により、安全な出産や保健医療サービスへのアクセスが向上した。その結果、専門技能者による出産介助率や家族計画サービス利用率などの母子保健指標が改善し、より多くの妊産婦が適切なサービスを受けられるようになった。
また、地域住民への保健・衛生教育を通じて、母子保健や小児下痢症に関する知識、手洗い実施率が向上した。住民の適切な受療行動や家庭内ケアの実践が促進され、確認されたすべての下痢症例が適切な治療につながった。
さらに、アカテン保健センターに設置した妊婦待機所はガーナ初の取り組みとして州保健局や行政から高く評価されており、他地域への展開も期待されている。
なお、同プロジェクトでは、タンザニア連合共和国において下痢症予防を目的としたアプリの開発にも取り組んでおり、その効果を現在検証している。
