JCRファーマは17日、アキュメン社が、同社独自の血液脳関門通過技術であるJ-Brain Cargo(JBC)を活用したアルツハイマー病治療薬候補について、最大2品目に対する全世界での開発、製造および販売に関するライセンスの独占的オプション権を行使したと発表した。
JCRファーマは、アキュメン社によるオプション権の行使に伴いその対価を受領する。また、今後、開発マイルストーンフィーとして最大4000万ドル、販売マイルストーンフィーとして最大5億1500万ドル、合計で最大5億5500万ドル(約832億円)、加えて、販売後は正味売上高に応じた段階的ロイヤルティを受領する権利を有する。
2025 年 7 月に締結した契約では、JCRファーマのJBC技術とアキュメン社のアミロイドベータオリゴマー(以下、AβO)選択的抗体を組み合わせた血液脳関門通過型アルツハイマー病治療薬の開発を目的としている。
AβO選択的抗体は、アルツハイマー病の発症および進行の主要な病理学的要因となる毒性のある可溶性AβOを標的とする。同契約では、JBC技術を用いてsabirnetugおよびその他のAβO選択的抗体を血液脳関門を越えて送達し、アルツハイマー病の病態進行抑制を目指している。
2026年3月、アキュメン社はInternational Conference on Alzheimer’s and Parkinson’s Diseases and Related Neurological Disordersにおいて、アルツハイマー病のモデルマウスを用いた非臨床データを発表した。
同発表では、JBC 技術を適用した AβO 選択的抗体について、AβOへの結合力を維持しつつ、脳への暴露量が増加することが示された。アキュメン社は、2027 年中ごろの IND 申請(新薬臨床試験開始申請)を計画している。
なお、同件に関する今期(2027年3月期)のJCRファーマ連結業績への影響は、業績予想に織り込み済み。
◆薗田啓之JCRファーマ代表取締役社長のコメント
戦略的パートナーであるアキュメン社が、最大 2 品目のアルツハイマー病治療薬候補について、全世界での開発・製造・販売に関する独占的オプション権を行使したことを大変嬉しく思う。
アキュメン社は本共同プログラムを着実に推進しており、本年3月に同社が公表した非臨床データは非常に有望なものである。当社のJBCプラットフォームとアキュメン社の革新的なAβO選択的抗体を組み合わせることで、脳へのバイオ医薬品送達という課題を克服し、アルツハイマー病の安全かつ効果的な治療の実現を目指していきたい。
◆Daniel O’Connellアキュメン社CEOのコメント
当社のsabirnetugプログラムの強みを活かして、最大2品目のアルツハイマー病治療薬候補について、全世界での開発・製造・販売に関する独占的オプション権を行使できたことを嬉しく思う。
当社のAβO選択的抗体技術とJCRファーマの血液脳関門通過技術を組み合わせることで、アルツハイマー病患者さんの治療を一変するような次世代治療薬を生み出すことが期待される。今後の進捗については、適宜お知らせしたい。

