小野薬品は11日、IgA腎症(IgAN)を対象としたBAFF およびAPRILに対するデュアル阻害剤として開発中の遺伝子組換え融合タンパク質「Povetacicept」について、進行中のグローバルP3相RAINIER試験で、事前に設定した36週時点の中間解析から良好なデータが得られたと発表した。
提携するバーテックス社が公表したもので、同社は3月末までに米国迅速承認に向けた生物製剤承認申請(BLA)を完了する。
小野薬品は、昨年6月20日にバーテックス社とライセンス契約を締結し、povetaciceptについて日本、韓国で独占的に開発・商業化する権利を取得しており、バーテックス社によってIgA腎症、原発性膜性腎症を含む複数の重篤なB細胞介在性疾患の治療薬として開発が進められている。
RAINIER試験では、主要評価項目である24時間尿タンパク/クレアチニン比(UPCR)がベースラインと比較して52.0%減少し、プラセボ群と比較して統計的有意かつ臨床的意義のある49.8%減少を達成した(P<0.0001)。タンパク尿の減少は、事前に規定したすべての患者集団で一貫して認められた。
また、同試験は副次評価項目も達成した。1つ目の副次的評価項目であるガラクトース欠損型異常糖鎖IgA1(Gd-IgA1)は、povetaciceptを投与された患者がベースラインから77.4%減少し、プラセボ群では9.1%増加しており、プラセボ群と比較して79.3%の減少となった(P<0.0001)。
2つ目の副次的評価項目の血尿では、ベースラインで血尿があった患者のうち、povetacicept投与群では85.1%の患者で血尿が消失し、プラセボ群では23.4%であり、プラセボ群と比較して61.7%の血尿消失という有意な結果が認められた(P<0.0001)。
Povetaciceptは、全般的に安全性が高く、忍容性が良好であった。有害事象の大部分は軽度から中等度であった。Povetaciceptに関連する重篤な有害事象はなく、試験中の死亡例もなかった。免疫力が低下した際に発症しやすい感染もなく、中止もなかった。
当初の予想通り、抗薬物抗体(ADAs)が認められたが、これらのADAsは有効性やリスクプロファイルに影響を与えなかった。
中間解析対象集団において、すべての理由による治療中止率は、プラセボ群で8.8%、povetacicept群で3.8%であった。また、すべての理由により試験中止した率は、プラセボ群で1.5%、povetacicept群で0.8%であった。
◆Reshma Kewalramaniバーテックス社CEO兼社長(M.D., FASN)のコメント
IgANを対象としたP3相RAINIER試験の36週中間解析結果は非常に注目すべきものだ。Povetaciceptは、その臨床プロファイル、投与量および利便性、幅広い適応可能性により、ベストインクラスの治療薬となる可能性を示しており、嚢胞性線維症、血液疾患、急性疼痛に続いて腎臓領域をVertex社の第4のフランチャイズとして確立していく。
腎臓専門医として、povetaciceptによる迅速かつ深く持続的な奏効とすべての患者集団で一貫した効果が認められていることに感銘を受けている。これらの結果はIgAN患者にとって重要であり、povetaciceptの“パイプライン・イン・ア・プロダクト”という可能性の実現に一歩近づくものである。

