大阪府薬乾英夫会長 本年6月の任期満了で退任  21日の代議員会で会長候補者選挙

乾氏

 大阪府薬剤師会は6日、同会館で定例記者会見を開催し、乾英夫会長が「本年6月の2025年度事業終了後の総会を以て任期満了で退任する」意向を明らかにした。退任理由は、「今後の医薬分業の推進(大阪の分業率75%)、地域での医薬品供給体制の充実、6年制薬剤師に如何にすれば職能を発揮して貰えるか等を考えた時、新しい会長に任せた方が良いとの決断に至った」と説明した。
 6月の任期完了で乾氏は、3期6年、大阪府薬の会長を務めたことになる。これに伴い、大阪府薬では、3月21日開催の第26回臨時総会で会長候補者選挙を実施する。会長候補者は3月16日まで受け付けているが、10日現在で2名の届けが出ている。
 乾氏は、2026年度の診療報酬改定にも言及。「今回の調剤報酬改定は、物価や賃金上昇に対応しているものの、2030年、2040年に向けて薬局・薬剤師が地域で掛かり付け機能を発揮する方向に導く算定要件になっている」との見解を示し、「現在の業務をしっかりと進めるだけでは厳しい」と総括した。
 会見では、2月8日の衆議院選挙でのとかしきなおみ氏、フジタ洋司氏の2名の薬剤師候補の当選も報告された。乾氏は、「薬剤師の国会議員は、この2名に加えて、参議院議員の本田あき子氏、神谷まさゆき氏の4名体制になった。しっかりと活躍して頂きたい」とエールを送った。
 2026年度調剤報酬改定の概要については、まず、賃上げに向けた評価の見直しと物件費の高騰を踏まえた対応として、「調剤ベースアップ評価料 4点」、「調剤物価対応料 1点」が新設された。
 薬局の体制に係る評価の見直では、調剤基本料が「調剤基本料1 45点 → 47点」、「調剤基本料2 29点 → 30点」、「調剤基本料3イ 24点 → 25点」、「調剤基本料3ロ 19点 → 20点」、「調剤基本料3ハ 35点 → 37点」、「特別調剤基本料A 5点 → 5点」、「特別調剤基本料B 3点 → 3点」となった。
 また、「処方箋集中率の計算において、医療モール内の複数保険医療機関は1つの医療機関とみなすことに変更」、「同一グループの店舗数300以上の区分撤廃」、「特別調剤基本料Aの同一建物内に診療所がある場合の除外規定を撤廃(既存薬局への遡及的な適用はしない)」等が定められた。
 一定の機能を有する薬局の体制の評価では、地域での医薬品供給を通じた適切な医療提供体制構築の充実を促進する観点から、後発医薬品調剤体制加算と地域支援体制加算を統合し、地域支援・医薬品供給対応体制加算(27点)が新設された。
 調剤基本料1の薬局は、「地域支援・医薬品供給対応体制加算2 32点 → 59点」、「地域支援・医薬品供給対応体制加算3 40点 → 67点」となった。
 調剤基本料1以外の薬局は、「地域支援・医薬品供給対応体制加算4 10点 → 37点」、「地域支援・医薬品供給対応体制加算5 32点 → 59点」に設定された。
 また、バイオ後続品の使用を促進するための「バイオ後続品調剤体制加算50点」、 医療DX推進体制整備加算を廃止して電子的調剤情報連携体制整備加算として一本化し、電子処方箋システムによる重複投薬等のチェックを行う「電子的調剤情報連携体制整備加算 8点(月に1回)」が新設された。
 調剤基本料の見直しでは、薬局ビジョンを踏まえた調剤基本料の見直すとともに、都市部の門前薬局や、2026年6月1日以降開設の医療モール内薬局で処方箋集中率85%超の新規開設薬局に対して減算する「門前薬局等立地依存減算 ▲15点」が新設された。また、面分業推進の観点から処方箋集中率85%以下である調剤基本料1と調剤基本料3ハの点数が引上げられた。
 この他、「調剤基本料における大規模チェーン薬局区分の見直し」、「処方箋集中率の計算方法の見直し」、「後発医薬品調剤体制加算の削除」、「地域支援体制加算の見直し」、「在宅薬学総合体制加算の要件の見直し」、「医療DX推進体制整備加算等の見直し」などが今回の調剤報酬改定の主なトピックとなっている。
 乾氏は、「安定供給も含めた地域支援医薬品供給対応体制加算は大阪で5割強の薬局で算定されているが、仕事をしていても届け出していないと算定できない点数がより鮮明になってきている」と指摘した。
 さらに、「ここ数回の調剤報酬改定で、医薬分業の推進は全国で80数%、大阪で75%とインフラ整備が出来たのでそれに点数を付ける必要は無い。6年制の薬剤師が職能を発揮するためにより対人業務に尽力してほしいという方向に誘導している」と明言。
 加えて、「薬局が過密状態の所では、いくら頑張って薬局・薬剤師の機能を発揮していても新規の薬局については基本料を下げる」、「門前に薬局が集中しているところは減算する」など最近の調剤報酬改定の傾向を指摘し、「現在の業務をしっかりと進めるだけでは厳しい内容になっている」と総括した。
 道明雅代副会長も「10年前の“患者のための薬局ビジョン”では、門前から掛かり付け、掛かり付けから地域へと提唱されていた」と紹介。その上で、「10年経った現在も処方箋集中率95%以上および85%以上の薬局が増えており、門前薬局、医療モールの薬局が多い。敷地内薬局も増えている。そこで、今回大きく舵を切って地域へと導く内容の診療報酬改定になった」と解説した。

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