「オベポレクストン」 FDAがナルコレプシータイプ1対象に新薬承認申請受理・優先審査指定 武田薬品

 武田薬品は10日、「オベポレクストン」(TAK‑861)について、米国FDAがナルコレプシータイプ1(NT1)に対するファースト・イン・クラスの治療薬として新薬承認申請(NDA)を受理し、優先審査に指定したと発表した。
 FDAは、処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づく審査終了目標日を2026年7~9月に設定している。承認された場合同社は、初のオレキシン作動薬治療となる同剤をNT1の患者に提供する取り組みを順調に進めている。
 オベポレクストンは、NT1を引き起こすオレキシンシグナルの低下に着目し、その回復を目指して設計された経口のオレキシン2受容体(OX2R)選択的作動薬である。
 NT1は、オレキシンの欠乏により発症する慢性かつまれな神経疾患で、日中の過度の眠気や情動脱力発作(カタプレキシー)を特徴とする。これにより、身体的・認知的・心理社会的な側面に幅広い影響が生じ、就労や学業、社会的な関わりなど、生活のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼす場合がある。
 既存の治療選択肢があるものの、多くのNT1の患者さんが依然として症状を抱えており、日常生活全般に大きな制約を受けていっる。
 同申請は、グローバルP3試験であるFirstLight(TAK-861-3001)試験およびRadiantLight(TAK-861-3002)試験を含む包括的なデータパッケージに基づくもの。
 これらの試験では、オベポレクストンが「覚醒度」、「日中の過度の眠気」、「情動脱力発作(カタプレキシー)」、「持続的注意力」、「QOL」、「日常生活機能」の主要な客観的および患者による評価において統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示し、さまざまな症状において正常範囲内に近づく改善が認められた。
 P3試験におけるオベポレクストンの忍容性は概ね良好であり、安全性プロファイルはこれまでの臨床試験と一貫していた。主な有害事象は不眠、尿意切迫および頻尿であった。
 オベポレクストンは、FDAおよび中国国家薬品監督管理局からNT1における日中の過度の眠気の治療に対するブレークスルーセラピーの指定を受けており、日本においては厚労省からNT1において先駆的医薬品の指定を受けている。
 なお、今回のNDA申請が2026年3月期(2025年度)の通期連結業績予想に与える影響は軽微である。

◆アンドリュー・プランプ武田薬品リサーチ&デベロップメント プレジデントのコメント
 FDAによるNDA受理は、NT1の患者さんにとって重要なマイルストーンである。NT1の患者さんでは未だ満たされない医療ニーズが存在し、NT1 を引き起こすオレキシン欠乏を標的として、オレキシンシグナルの回復を目指す新しい治療アプローチが本来届けられるべきであると私たちは考えている。
 今回の進展により、現行の治療パラダイムを変革しうる可能性に一歩近づいた。我々は、オレキシンサイエンスの先導的な研究を通じて、一日も早くオベポレクストンを患者さんにお届けできるように取り組んでいきたい。

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