塩野義製薬は8日、シデロフォアセファロスポリン系抗菌薬セフィデロコル(一般名:注射用セフィデロコルトシル酸塩硫酸塩)について、中国国家薬品監督管理局(NMPA)より承認を取得したと発表した。適応症は、セフィデロコルに感受性を示すグラム陰性菌による複雑性尿路感染症で、同承認は、塩野義製薬グループ会社の塩野義有限公司(本社:中国上海)が取得した。
セフィデロコルは、多剤耐性菌を含むグラム陰性菌の外膜を効果的に通過して抗菌活性を発揮する薬剤で、2025年5月現在で、日本・欧州・米国・台湾を含めた26の国と地域で販売されている。
今回の承認は、海外で実施された国際共同治験および中国国内で実施された多施設共同二重盲検比較試験の良好な結果に基づくもの。対象薬に対する非劣性の検証を目的とした両試験において、セフィデロコルは対象薬であるイミペネム/シラスタチンに対して、非劣性を示し主要評価項目を達成した。また、安全性プロフォールにおいても新たな懸念は認められず、良好な忍容性が確認された。
薬剤耐性(AMR)は、抗菌薬に対する細菌の耐性獲得により抗菌薬が効きにくくなることである。AMRは「サイレントパンデミック」と呼ばれ、人類が直面する世界的な公衆衛生上の脅威のひとつで、緊急に対処が必要な世界規模の重要課題である。
2021年には、AMRにより世界中で114万人が死亡したと推定されている。また、国際的な連携により対策を講じなければ、今後25年間で3900万人以上が命を落とす問題に発展するとの予測がなされている。
その一方で使用可能な治療薬は限られており、アンメットメディカルニーズが高い疾患領域の一つである。今回の承認取得により、セフィデロコルは、治療困難な複雑性尿路感染症で苦しむ中国本土の患者に対する新たな治療選択肢となることが期待される。

