ロート製薬は、ウェルビーイングな社会の実現に貢献し続けるため、社員一人ひとりの自律・成長を経営の中心に置き、個人と会社の共成長を目指す様々な取り組みを実施してきた。今回、社内ダブルジョブ制度の効果検証を実施したところ、自ら手を挙げて兼務を実践する本人のみならず、同じ部門で働く同僚に対してもポジティブな効果をもたらすことが判明した。
「社内ダブルジョブ制度」について、独自指標の「Well-being ポイント」への影響を検証したところ、同制度に自ら手を挙げた実践者のWell-being ポイントが上昇したのみならず、同じ部門で働く同僚においてもポイントが上昇することが確認されたもの。
「Well-being ポイント」とは、社員一人ひとりが、どのような状態で日々仕事と向き合っているのかを把握するために、5 つの質問による10段階の自己評価「Well-being の振り返り」を2021 年より2回実施している。すべての雇用形態の全社員を対象とし、各項目は当社の経営理念や価値観、行動規範に関連している。同社は重要な経営指標の一つとしてこの評価スコアをもとに数々の施策を企画実施している。Well-beingポイントの5つの指標は次の通り。
1、私は仕事を通じて社会に役立ち、貢献することができている
2、私は楽しく仕事に取り組み、生活を豊かにすることができている
3、私は仕事を通じて成長した実感が持てている
4、私は将来目指す目標があり、今後のキャリア形成に期待を持っている
5、私はチームの一員としてチームワークに貢献できている
ロート製薬は、社員一人ひとりが自らの可能性を広げる自律的キャリアを後押しする考え方のもと、これまで多様な働き方施策を実施してきた。社員の提案から 2016 年に「社外チャレンジワーク制度(複業)」「社内ダブルジョブ制度(兼務)」を制定。2020 年には社内起業家支援プロジェクト「明日ニハ」を開始し、年齢に関わらず多様なキャリアを描けるよう支援してきた。
今回、社内ダブルジョブ制度が Well-beingポイントの5つの指標へいかなる影響を及ぼしているかについて分析を実施した。その結果、同制度は自ら手を挙げて兼務を実践する本人のみならず、同じ部門で働く同僚に対してもポジティブな効果をもたらすことがわかった。
具体的には、5つの指標のうち、本人の「2、楽しさや豊かさ」、「3、成長実感」、「4、キャリア形成に対する期待感」が向上すること、及び同じ部門で働く同僚の「3、成長実感」が向上することが確認された。
さらに、実践している社員の声からは、社内ダブルジョブ制度への挑戦が社員の視野を広げ、仕事の意味や価値を再認識する契機となっていることが示唆された。加えて、その経験や学びを周囲に共有することで、同僚やチーム全体へ良い影響が波及し、組織の活性化に寄与している可能性が考えられる。
社内ダブルジョブ制度は、手挙げにより挑戦する社員を、周りのメンバーが応援する企業文化が支えている。賞賛や承認の文化形成に資する一例として、社員同士がお互いに感謝の気持ちを送りあう 「39(サンキュー)メッセージ」施策がある。
今回の分析においても、組織の中で相対的に多く「39 メッセージ」を受け取ると、「1、貢献実感」、「2、楽しさや豊かさ」、「4、キャリア形成に対する期待感」、「5、チームワーク」が向上する傾向が判明した。
39メッセージは、健康KPIの一つとして掲げており、多くの社員が活用している。(39メッセージ送付率68.9%、受取率 90.0% 2024 年度実績)
ロート製薬は、2025 年 10月に基本の勤務日数を週 3 日・週 4 日とし、残りを複業・社会活動・学びに充てることができる「ビヨンド勤務」を創設し、社員への募集を開始した。社員が自らの意思で働き方を選択し、得た経験や知見を会社・社会に還元していくことを目指している。
同社は、今後も、社員一人ひとりの挑戦を支援しながら、「個人・会社・社会がともに成長する Well-being 経営」を推進していく。

