レカネマブの皮下注射製剤「レケンビ アイクリック」 米国で早期アルツハイマー病初期治療の段階的申請完了 エーザイ

 エーザイは26日、レカネマブの皮下注オートインジェクター製剤(SC-AI)「レケンビ アイクリック)について、米国で週1回投与の初期療法としての早期アルツハイマー病初期治療の段階的申請を完了したと発表した。
 同申請は、エーザイが米国FDAに対しFast Track 指定のもとで実施していたもの。米国における「レケンビ」の適応は、アルツハイマー病(AD)による軽度認知障害(MCI)または軽度認知症(総称して早期AD)の治療である。
 同申請を受理した時点で、FDAが審査終了目標日を設定する。
 今回の申請は、早期AD当事者様を対象としたP3相Clarity AD試験試験における18カ月のコア試験に続く非盲検長期継続投与試験(OLE)において、複数の皮下投与による投与量を評価したサブスタディに基づくもの。
 同サブスタディにおいて、週1回のSC-AI 500mg投与は、2週に1回の静脈(IV)投与と暴露量が同等であることが確認され、臨床上およびバイオマーカー上の効果も同様であることが示された。皮下投与は、IV投与と同様の安全性プロファイルを示し、全身性の注入/注射に伴う反応の発現率は2%未満であった。
 FDAが「レケンビ アイクリック」500mg (250mg×2本)による皮下投与レジメンを承認した場合、現行の2週に1回のIV投与に加え、新たな選択肢として、SC-AIによる週1回投与による初期治療が可能となる。
 当事者とケアパートナーは、初期治療と既に承認されている維持投与の双方において、在宅でのSC投与を選択できるようになり、全治療期間を通じてSC投与またはIV投与の治療選択肢を有する。「レケンビ アイクリック」製剤における投与は、250mg1本あたり平均15秒で完了する。SC-AIによって、IV投与に関わる医療行為(点滴静注のための準備、投与に関わる看護師によるモニタリング等)が削減でき、AD 治療パスウェイ全体を効率化する効果が期待される。
 レケンビは、これまでに 51の国と地域で承認を取得し、9カ国で承認申請を行っている。本年8月、米国 FDA は、18 カ月の 2週に1回のIV治療後の週1回の皮下維持投与としてレケンビ アイクリック360mgを承認した。

タイトルとURLをコピーしました