ラルドタツグ デルクステカン プラチナ製剤抵抗性卵巣がん等P2/3試験で好結果 第一三共

 第一三共は20日、「ラルドタツグ デルクステカン」(R-DXd/DS-6000、抗CDH6抗体薬物複合体[ADC])について、プラチナ製剤抵抗性卵巣がん等を対象としたP2/3試験(REJOICE-Ovarian01)のP2相パートにおいて好結果を得たと発表した。同結果は、欧州臨床腫瘍学会(ESMO2025)で初めて発表された。
 同試験は、再発性のプラチナ製剤抵抗性卵巣がん、原発性腹膜がんおよび卵管がんを対象としたグローバルP2/3試験である。3つの投与量(4.8mg/kg、5.6mg/kg、6.4mg/kg)における本剤の有効性および安全性を評価するP2相パートと、推奨用量における本剤の有効性および安全性を治験医師選択薬(化学療法)と比較し評価するP3相パートからなる。今回のESMOで発表した第2相パートの結果に基づき、P3相パートにおける同剤の投与量として5.6mg/kgが選択された。
 有効性について、全患者集団107名において、主要評価項目である客観的奏効率は50.5%(完全奏効 3名、部分奏効*3 51名)で、同剤は臨床的意義のある有効性を示した。副次評価項目の一つである病勢コントロール率は77.6%であった。5.6mg/kg投与群36名において、客観的奏効率は50.0%(完全奏効 2名、部分奏効 16名)、病勢コントロール率は80.6%でしあった。
 安全性については、新たな懸念は認められず、進行性卵巣がん等を対象とした同剤のP1試験と同様の傾向であった。グレード3以上の同剤と関連のある有害事象は、4.8mg/kg投与群36名、5.6mg/kg投与群36名、6.4mg/kg投与群35名において、それぞれ27.8%(10名)、30.6%(11名)、48.6%(17名)に認められた。
 間質性肺疾患(ILD)については、4名(3.7%)がILD独立判定委員会により同剤と関連のあるILDと判定され、グレード1または2が3名(5.6mg/kg投与群1名、6.4mg/kg投与群2名)、グレード3以上が1名(4.8mg/kg投与群)であった。
 同剤は、2025年9月にベバシズマブによる治療歴のあるCDH6発現のプラチナ製剤抵抗性の上皮性卵巣がん、原発性腹膜がんおよび卵管がん治療を対象として、米国FDAより画期的治療薬(Breakthrough Therapy)指定を受けている。
 第一三共は、卵巣がん等の患者に同剤を一日も早く提供できるよう、同試験の開発を加速させていく。

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