日本システム技術と肥満症疾患啓発協働事業開始 ノボ ノルディスク ファーマ

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 ノボ ノルディスク ファーマは17日、日本システム技術(JAST)と「肥満症」の疾患啓発に関する協働事業を開始すると発表した。同事業は、肥満症の正しい理解を広め、肥満症治療に関する情報を提供し、患者を適切な治療につなげることを目的としたもの。
 肥満症は、生命を脅かす可能性がある深刻な慢性疾患である。肥満に関連した健康障害は数多く、2型糖尿病をはじめ、肥満関連腎臓病、代謝機能障害関連脂肪性肝疾患、がん、心筋梗塞や脳卒中、高血糖、高コレステロール、高血圧および炎症などの心血管疾患リスクの上昇がある。
 そのため、肥満症は体重管理のみならず、深刻な慢性疾患として早期に診断され、迅速に対応される必要がある。また、肥満症は患者自身の責任ではなく、遺伝や環境要因が複雑に影響している。だが、いまだ肥満に対する社会的な偏見が根強くあり、「肥満は自己責任である」という意識から、治療にたどり着けない患者が多くいるのが現状だ。
 また、ノボ ノルディスク ファーマが実施した2025年度「肥満」と「肥満症」に関する意識実態調査によると、肥満症の認知率は13.0%と過去の推移 (2024年度8.7%、2023年度8.3%) と比較して大きく進捗した一方で、自身の肥満について「(医療機関へ) 相談したくない」と回答した人が半数以上と、医療機関への相談意向が低い結果となっている。
 その要因として、自己責任感などの心理的要因だけでなく、費用面やどの診療科で受診できるのかわからないといった、肥満症治療に関する情報が不足していることがわかった。
 ノボ ノルディスク ファーマとJASTによる同協働事業では、リアルワールドデータであるレセプトデータおよび健康診断データから、体格指数 (BMI) 25以上かつ健康障害があるにもかかわらず、肥満症の治療を受けていない人を抽出し、肥満症の可能性のある人に、肥満症の理解促進や医師への相談を促すための啓発リーフレット等を郵送する。
 同事業において、JASTは取引先 である約400の健康保険組合から協力先を募り、同社の保健事業ノウハウを活かしてレセプトデータおよび健康診断データの項目から啓発対象者を抽出する。
 対象者には、ノボ ノルディスク ファーマが作成した肥満症に関する正しい知識や情報を伝える疾患啓発資材を郵送し、その後アンケートにてフォローアップを実施する。対象者の受診行動の変化は、レセプトデータを活用して効果検証予定である。

<同提携事業概要>
対象: 複数の健康保険組合の加入者約75,000人のうち肥満症の可能性がある人
実施期間: 2025年10月17日~2025年12月31日

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