sparsentan 日本でのIgA 腎症 国内P3試験主要評価項目データ取得完了 レナリスファーマ

製造販売承認申請の準備推進

 レナリスファーマは10日、sparsentan(開発コード:RE-021)について、IgA腎症に対する国内P3試験において、全評価対象症例の主要評価項目である同剤投与後36 週時の尿蛋白/クレアチニン比データ(24 時間蓄尿)取得を完了したと発表した。
 今後、同剤投与後36 週時迄の有効性及び安全性の評価や海外臨床試験成績との比較などを行い、製造販売承認申請の準備を進めていく。
 sparsentanは、Travereが開発した経口投与可能なエンドセリン受容体とアンジオテンシンII受容体の双方に対して拮抗作用を有する二重拮抗薬である。 レナリスファーマは、2023 年にTravere から日本およびアジア地域での独占的開発・商業化に関するライセンスを取得している。 Travereは2024 年にsparsentan(米国商品名:FILSPARI)について、「病勢進行のリスクがある原発性IgA 腎症の成人患者における腎機能低下の抑制」を効能・効果としてFDA から承認を取得している。
 FILSPARIは、IgA 腎症患者を対象としたイルべサルタンとの直接比較試験(PROTECT試験)において、蛋白尿の有意な減少、腎機能の維持、忍容性の高い安全性プロファイルを示した。
 また、2025年にFILSPARIは、「巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)」の追加新薬承認申請(sNDA)をFDA が受理している。欧州においても2025年にIgA腎症の適応症でEU 標準承認を取得している。
 慢性腎臓病及び末期腎不全患者さんの管理は、日本の医療制度に大きな負担をもたらしており、社会的課題となっている。IgA腎症は、腎不全の主な原因の1つとして広く知られており、同症を原因として末期腎不全(透析)に移行する患者が絶えない。
 IgA腎症は、異常IgA タンパクが腎臓組織に沈着することで、腎臓の機能を阻害し、炎症を引き起こすことにより発症すると考えられている。だが、未だに発症や重症化の機序については未解明な点が多い希少難病(難病指定66)である。現状、日本においては、IgA 腎症に対する明確な治療法が乏しく、アンメットニーズが存在している。

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