セタネオ点眼液 緑内障・高眼圧症治療剤として国内で製造販売承認取得 参天製薬

 参天製薬は25日、緑内障及び高眼圧治療薬「セタネオ点眼液」(一般名:セペタプロスト)について、同日付で日本国内における製造販売承認を取得したと発表した。
 同剤は、小野薬品で創製されたセペタプロストを0.002%含有している。セペタプロストはプロドラッグで、点眼後は主に角膜中で速やかに加水分解され、FP受容体及びEP3受容体に対して結合、刺激することで房水流出を促進し、眼圧下降作用を示すと考えられている。
 同剤の有効性については、国内で行われたP3相検証試験において、緑内障治療の第一選択薬の一つである0.005%ラタノプロスト点眼液(1日1回点眼)に対する同剤の1日1回点眼における眼圧下降効果の非劣性が検証さた。
 また、国内で実施されたP3相長期投与試験において、同剤は、1年に渡り1日1回点眼での眼圧コントロールが示された。
 安全性においては、重大な副作用として虹彩色素沈着0.3%が認められている。発現率5%以上の主な副作用は、結膜充血、睫毛の異常、眼瞼部多毛がある。
 緑内障は、眼圧の上昇などによって視神経が障害されて視野欠損が進行し、適切に治療されなければ失明に至る疾患で、今なお日本における眼疾患による視覚障害(視力低下や失明)の原因の第一位となっている。
 緑内障の視神経障害および視野障害は、基本的には進行性かつ非可逆的であるため、早期発見・早期治療が極めて重要であり、眼圧を下げることが緑内障の進行を抑制する有効な治療法である。
 日本緑内障学会が策定した「緑内障診療ガイドライン(第5版)」 では、緑内障の薬物療法において、眼圧下降点眼薬の単剤(単薬)療法から開始し、有効性が確認されない場合には他剤に変更し、有効性が十分でない場合には多剤併用(配合点眼薬を含む)を行うことと示されているが、薬剤選択に際しては治療抵抗性患者や投与禁忌患者の存在、副作用の発現などに留意する必要がある。
 また、多剤併用療法においては、点眼回数の増加に伴う副作用の増加、アドヒアランスやQOLの低下につながる可能性にも配慮が必要だ。こうした理由から新たな作用機序による強力な眼圧下降作用を有する眼圧下降薬の登場が望まれている。

◆ピーター・サルスティグ参天製薬チーフ メディカル オフィサーのコメント
 緑内障治療においては、最も優れた眼圧下降効果と点眼回数、副作用の面で良好な認容性により、プロスタノイド受容体関連薬が第一選択薬として最も使用されている。だが、既存のプロスタノイド受容体関連薬では、十分な効果が得られないケースがある。
 また、眼圧は常に一定ではなく、一日を通して変動するため、日中と夜間を通じ、眼圧を管理することが緑内障の進行抑制において重要になる。
 セタネオの承認により、2つの作用がある眼圧下降点眼薬の選択肢をより多くの緑内障患者さんに提供できることを大変嬉しく思う。

タイトルとURLをコピーしました