再生・細胞医薬製造施設「CRAFT」竣工 住友ファーマとS-RACMO

 住友ファーマと住友化学の合弁会社である S-RACMO(本社:大阪府吹田市)は5日、さらなる事業拡大を目的とした第3棟の再生・細胞医薬製造施設「CRAFT」が竣工したと発表した。
 S-RACMOは、再生・細胞医薬の早期普及および商業化に貢献すべく、製法開発、製造などの受託事業に取り組んでおり、これまで再生医療等製品の商用製造を始め、治験用、非臨床その他目的でiPS 細胞、体細胞、体性幹細胞などの様々な種類の自家および他家細胞の製造を受託している。
 今回、同施設の整備により、現在受託している製品の増産に加え、再生・細胞医薬品を開発する国内外の顧客のニーズに対応可能な製造体制の強化を図る。
 同施設は、既存2棟の再生・細胞医薬製造施設(SMaRT及びFORCE)と同じ敷地内に整備され、これらの複数施設の運用で培ったノウハウや経験を活かした設計・仕様となる。
 また、大阪空港や関西国際空港等へのアクセスも良いため、製造した再生・細胞医薬品を速やかに全国の主要地域に加え、海外へ輸送が可能である。
 さらに、S-RACMOは、第3棟に続く約150億円の設備増強投資を計画している。同投資計画には、同施設の製造設備及び試験施設の追加整備など既存施設の設備増強に加えて、第4棟の再生・細胞医薬製造施設の新設が含まれる。これは、経済産業省の「令和 6 年度補正 再生・細胞医療・遺伝子治療製造設備支援事業費補助金」を活用するもの。これにより一層の製造体制の強化を進め、事業拡大を加速する。施設の概要は、次の通り。

【名称】 再生・細胞医薬製造施設 CPC(通称 CRAFT)

【所在地】 大阪府吹田市江の木町 33-94(住友ファーマ・総合研究所内)

【事業内容】 再生・細胞医薬分野の製法開発、製造などの受託

【延べ面積】 1836 ㎡ (鉄骨造 2 階建て)

【着工】 2024 年 7 月

【竣工】 2025 年7月

【仕様】
・単独空調を装備した複数スイート
・BSL2 対応
・2 階エリアに製法検討用ラボ、QC 試験室
・カーボンニュートラルに関する取り組み:
空調システムで省エネ手法導入(既施設比約 1/3 のエネルギー消費量
削減)
オール電化により CO 2 排出量削減

【総工費】 約37億円

タイトルとURLをコピーしました