ベーリンガーインゲルハイムは18日、開発中の糖尿病黄斑浮腫(DME)経口治療「BI 1815368」について、有効性・安全性および忍容性評価を目的としたP2試験(THULITE試験[NCT06962839]」を開始したと発表した。
DMEは、糖尿病患者における視力障害の主要な原因の一つであり、世界で2100万人以上が影響を受けており、糖尿病のある人の最大10%に発症するとされている。
DMEでは、網膜の中心部である黄斑に液体が漏れ出し、日常生活に必要な鮮明な視力が損なわれる。
BI 1815368は、網膜血管の過剰な透過性を抑制することで、液体の漏出の治療および予防が期待される経口薬だ。他のDME治療薬と異なり、経口投与であるため、自宅での服用が可能で、DMEがあるまたはそのリスクがある両眼を同時に治療または予防できる可能性を有する。
◆Dario Madani氏(PRO RETINA CEO 、ベーリンガーインゲルハイムDME臨床プログラム運営委員会メンバー)のコメント
DMEは、糖尿病の中でも特に管理が難しい合併症の一つであり、視力が低下すると、患者さんは自立を失う可能性があり、家族への依存が高まる。仕事や家庭、他の糖尿病合併症と向き合いながら、眼の状態を管理するのは大きな負担である。こうした負担を軽減できる治療選択肢が求められている。