人免疫グロブリン製剤「GAMMAGARD LIQUID ERC」 FDAが原発性免疫不全症対象に承認 武田薬品

 武田薬品は1日、液状人免疫グロブリン製剤「GAMMAGARD LIQUID ERC」について、FDAが2歳以上の原発性免疫不全症(PID)に対する静注用・皮下注用製剤として承認したと発表した。
 GAMMAGARD LIQUID ERCは、溶解操作が不要な液状製剤で、静脈注射または皮下注射が可能であるため、患者および医療従事者の投与負担の軽減に貢献する。
 同承認により、武田薬品は引き続き、IgAの含有量が2 μg/mL以下の低IgA人免疫グロブリン製剤の世界で唯一の製造業者であり続ける。
 同剤は、米で2026年の上市を予定しており、欧州連合では、欧州医薬品庁(EMA)の承認が得られた場合、2027年にDEQSIGAの製品名で上市する見込みである。同剤の上市見込み時期は、血漿分画製剤の製造および供給量を増加するために必要な期間を加味している。
 武田薬品はまた、同承認に伴い、慎重な検討の結果、これまで低IgA含量製剤のニーズに応えていた静注用人免疫グロブリン製剤「GAMMAGARD S/D」(5%凍結乾燥製剤)の製造終了を決定した。同社が日本国外で製造している免疫グロブリン製剤ポートフォリオで唯一の凍結乾燥製剤である「GAMMAGARD S/D」は、「GAMMAGARD LIQUID ERC」と異なる古い工程で製造しており、当該工程では、「GAMMAGARD S/D」に関して、患者への将来の供給ニーズを満たすことを担保できなくなっている。そのため、武田薬品は、「GAMMAGARD S/D」の製造を2027年12月末までに終了することをFDAに通知するとともにその他の保健当局にも通知を開始した。武田薬品は、2027年12月以降も、在庫がなくなるか使用期限になるまでは「GAMMAGARD S/D」の供給を続ける予定である。

◆Kristina Allikmets武田薬品プラズマ デライブド セラピーズ ビジネス ユニットのシニア・ヴァイス・プレジデント、研究開発部門ヘッドのコメント
 GAMMAGARD LIQUID ERCは、既存の溶解操作不要な液状人免疫グロブリン製剤のなかで最もIgA含有量が少なく、静脈注射または皮下注射が可能な治療選択肢である。
 今回の承認は、PID患者さんに対する個別化医療の取り組みを支援するタケダの取り組みを強化するものだ。
 GAMMAGARD LIQUID ERCは、タケダの他の溶解操作不要な液状人免疫グロブリン製剤と同じ最先端の工程で製造される。これは、多様な患者さんのニーズに応える幅広い免疫グロブリン療法を提供しつつ、安定供給を担保するというタケダの長期戦略に沿うものである。

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