第一三共は22日、IHH(本社:マレーシア)100%子会社のNTK(本社:シンガポール)による東京地裁でのFortis Healthcare Limited(FHL)公開買付停止を巡る訴訟において、NTKが損害賠償請求額を200億円から2033 億に拡張してきたと発表した。
第一三共は、2016 年 4 月 29 日付のランバクシー元株主に対する仲裁判断に基づき、インド裁判所において、同国の法令に則って当該仲裁判断の執行手続を推進。その過程で、適正な手続にしたがってインド最高裁判所の指示で、NTK による FHLの公開買付の停止がなされている。
こうした経緯の中で、NTKは、公開買付の停止がなされたのは、「第一三共による公開買付の妨害である」と主張して東京地裁に同件訴訟を提起したもので、損害賠償、公開買付妨害行為の差止めなどを請求している。
第一三共は、NTKのFHL公開買付を妨げた等との主張について、「ランバクシー元株主に対する仲裁判断の執行手続を進める過程で、適正な手続にしたがってインド最高裁判所の指示でなされているものである」と主張。
さらに、「FHL並びにIHH及びNTKは、インド最高裁判所やインド市場規制当局に対しても、公開買付を進めることを許可するよう様々な申立を行ったが、その許可は得られていない」とした上で、「当社は、NTKの主張には根拠がなく、その請求は認められないものと考えている。引き続き、裁判手続きを通じて当社の正当性を主張していく」考えを示している。
第一三共は、今後、訴訟の経過等、改めて開示すべき事項が発生した場合は速やかに開示する。