田辺三菱製薬は9日、SGLT2阻害剤「カナグル」について、販売子会社のミツビシ タナベ ファーマ タイランド(MTTH)が4月29日よりタイにおいて輸入販売を開始したと発表した。
カナグルは、同社が創製した日本オリジンの薬剤で、腎臓の尿細管において糖の再吸収に関するトランスポーターであるSGLT2(ナトリウム-グルコース共輸送体2)を阻害し、糖の再吸収を抑制、過剰な糖を尿中に排泄する作用により血糖降下作用を発揮する薬剤である。
同剤の導出先企業によって世界80以上の国と地域で承認を受けているが、田辺三菱製薬グループが販売するのは、日本、台湾についで3番目となる。
タイでは近年糖尿病患者が増加傾向にあり、今後もそのトレンドが続くものと推定されている。MTTHは、インドネシアと並んでアセアン地域で最大級の医薬品市場を有しているタイにおいて、心血管・代謝疾患領域に対する製品を販売してきた。これらの製品の販売を通じて構築してきた領域プレゼンスの基盤を活用して、カナグルの発売を機に、タイの2型糖尿病患者の治療に貢献していく。