BI 764198 巣状分節性糸球体硬化症とデュシェンヌ型筋ジストロフィーで厚労省が希少疾病用医薬品対象品目に指定 日本ベーリンガーインゲルハイム

 日本ベーリンガーインゲルハイムは22日、新規医薬品候補として開発中の経口低分子阻害薬「BI 764198」について、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)とデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)との2 つの適応症に対して、厚労省より「希少疾病用医薬品」の対象品目に指定されたと発表した。
 BI 764198 は、一過性受容器電位カチオンチャネルサブファミリー6(TRPC6:Transient Receptor Potential Cation Channel Subfamily C Member 6)の経口低分子阻害薬である。同化合物は、ベーリンガーインゲルハイムによって臨床開発されているもので、心腎代謝領域の研究開発ポートフォリオに含まれている。
 同剤は、本年2月28 日にデュシェンヌ型筋ジストロフィー、本年3月31日に巣状分節性糸球体硬化症でそれぞれ厚生労働省より「希少疾病用医薬品」の対象品目に指定された。
 巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)は、腎疾患群の一つで、腎臓の糸球体の一部に硬化がみられる疾患である。巣状分節性糸球体硬化症は、他のネフローゼ症候群を発症する糸球体疾患の中でも難治性とされており、腎生存率(非透析導入率)は10年では85.3%であるが、20年では33.5%になると報告され1長期的な予後はよくない。
 日本における患者数は約 7000人と推定されているが、現在、巣状分節性糸球体硬化症に対し承認された薬剤はなく、極めてアンメットニーズの高い疾患である。
 一方のデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は、骨格筋障害による運動機能低下を伴う遺伝性筋疾患である筋ジストロフィーの一種で、日本における患者数は約3000人と推定されている。デュシェンヌ型筋ジストロフィーの患者の多くは10歳前後に歩行機能を喪失し、その後、呼吸不全や心筋症、心不全などの合併症を発現する。
 
◆安井淳隆日本ベーリンガーインゲルハイム医療開発本部クリニカルディベロップメント・メディカルアフェーアーズ心・腎・代謝領域 ヘッドのコメント
 BI 764198が巣状分節性糸球体硬化症とデュシェンヌ型筋ジストロフィーの2つの適応で日本において希少疾病用医薬品に指定されたことを大変嬉しく思う。また、巣状分節性糸球体硬化症での適応は当社の注力領域である心腎代謝領域のパイプラインにさらなる広がりをもたらすものとしても期待している。
 今回の指定により新しい治療法を待ち望む患者さんにいち早くお届けできるよう尽力していく。

タイトルとURLをコピーしました