長期作用型注射剤カボテグラビル HIV感染の予防効果確認    塩野義製薬

  塩野義製薬は21日、同社がグラクソスミスクラインおよびファイザーとともに資本参加しているヴィーブ社(本社:英国)の長期作用型注射剤カボテグラビルについて、HIV感染予防効果が確認されたと発表した。同予防効果を検証するP2b/3試験(HPTN 083試験)の中間解析で、カボテグラビルの良好な予防効果が確認された。
 同試験は、HIV感染リスクが高い、男性と性交渉を行う男性またはトランスジェンダーの女性を対象に、長期作用型注射剤カボテグラビルの2か月毎投与時のHIV感染予防効果を、既存の予防薬であるエムトリシタビン/テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(FTC/TDF)の1日1回経口投与時と比較したもの。
 中間解析の結果、カボテグラビルは対照薬に対し非劣性を示しただけでなく、対照薬よりも優れた予防効果を示した。主要評価項目である試験中にHIVに感染した被験者の割合は、カボテグラビル群の0.38%(95%信頼区間:0.20-0.66%)に対し、対照薬のFTC/TDF群では1.21%(95%信頼区間:0.86-1.66%)で、カボテグラビル群は対照薬群に対し感染リスクを69%(95%信頼区間:41-84%)軽減する高い予防効果を示した。
 同中間解析の良好な結果を受けて、データを評価したデータ安全性モニタリング委員会(DSMB)は、早期終了を勧告した。
 ヴィーブ社は今後、同試験で得られたデータの詳細を関連学会にて発表するとともに、当局への承認申請に使用する予定。長期持続型注射剤カボテグラビルによるHIV感染予防については、HIV感染リスクの高い女性を対象にしたP3試験(HPTN084試験)も現在実施されている。
なお、同件が2021年3月期の業績に与える影響は軽微である。

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