アストラゼネカは14日、イミフィンジと標準治療のFLOT(フルオロウラシル、ロイコボリン、オキサリプラチン、ドセタキセル)化学療法を併用した周術期治療について、P3相MATTERHORN試験で切除可能な早期胃がんおよび食道胃接合部がんの無イベント生存期間(EFS)において好結果を得たと発表した。
MATTERHORN試験の主要評価項目であるEFSにおいて統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示したもの。患者は手術前にイミフィンジと化学療法の術前補助療法を受け、イミフィンジと化学療法の術後補助療法、その後イミフィンジの単剤療法を受けた。 MATTERHORN試験では、切除可能な早期および局所進行(ステージII、III、IVA)の胃がんおよび食道胃接合部(GEJ)がん患者において、このレジメンと周術期化学療法単独を比較評価した。
副次評価項目である全生存期間(OS)について、今回の中間解析でイミフィンジをベースとするレジメンには良好な強い傾向が観察された。OSは最終解析で正式に評価される予定であり、同試験はOSの追跡を継続する。
胃がんは世界的にがん死亡原因の第5位であり、毎年約100万人が診断されている。2024年には、米国、欧州連合(EU)、日本において、早期および局所進行の胃がんまたはGEJがんで治療を受けた患者は約4万3000人であった。2030年までに、これらの地域で約6万2000人の患者さんが新たにこの病態で診断されると予測されている。
イミフィンジとFLOT化学療法の安全性プロファイルは、各薬剤の既知のプロファイルと一致しており、新たな安全性に関する所見はなかった。
主要な副次評価項目である病理学的完全奏効(pCR)について以前報告された中間解析では、イミフィンジ併用群は術前化学療法単独群と比較してpCR率が2倍超となる改善を示した(19%対7%、オッズ比3.08、p<0.00001)。
データは今後開催される医学学会で発表され、各国の規制当局と共有される予定である。
◆MATTERHORN試験責任医師のYelena Janjigian氏(Sloan Kettering記念がんセンター消化器腫瘍内科主任医師)のコメント
根治を目指した化学療法と手術を受けても、胃がん患者さんは再発することが多く、予後は良くない。MATTERHORN試験のこれらの大変喜ばしいデータは、イミフィンジを含む周術期レジメンが、がんの再発リスクの低減を含め、患者さんの転帰を臨床的に意義のある形で改善したことを示している。
◆Cristian Massacesiアストラゼネカチーフ・メディカルオフィサー兼オンコロジー・チーフ・ディベロップメントオフィサーのコメント
MATTERHORN試験は、切除可能な胃がんおよび食道胃接合部がん患者さんにおいて、無イベント生存期間の統計学的に有意な改善を示した初の免疫療法のP3試験である。イミフィンジによるこの周術期アプローチは、新しい治療法が患者さんの生活に多大な影響を与えることができる、がんのより早期ステージに取り組む、という我々のコミットメントを明確に示すものだ。