MSDは6日、キイトルーダと化学療法、それに続くオラパリブによる維持療法について、P3相KEYLYNK−001試験において、BRCA遺伝子変異陰性の進行上皮性卵巣がんの一次治療として主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の改善を達成したと発表した。
独立データモニタリング委員会が実施した最終解析において、キイトルーダとオラパリブ群では化学療法単独群と比較して、対象患者のPFSに統計学的に有意かつ臨床的に意味のある改善が認められた。
同試験では副次評価項目の全生存期間(OS)は未達であった。ITT解析対象集団におけるキイトルーダの役割については現段階ではまだ明らかではない。
この試験におけるキイトルーダとオラパリブの安全性プロファイルは、各薬剤でこれまで報告されている試験の結果と一貫していた。この結果は今後の医学学会で発表するとともに、規制当局と協議を進める。
米国では、オラパリブは卵巣がんにおいて、「プラチナ製剤を含む初回化学療法に対して完全奏効又は部分奏効を示し、病的変異又は病的変異が疑われる生殖細胞系列又は体細胞系列BRCA遺伝子変異(gBRCAm又はsBRCAm)を有する進行上皮性卵巣癌、卵管癌、又は原発性腹膜癌の成人患者の維持療法」、「プラチナ製剤を含む初回化学療法に対して完全奏効又は部分奏効を示し、かつ相同組換え修復欠損(HRD)陽性の状態、すなわち病的変異又は病的変異が疑われるBRCA遺伝子変異及び/又はゲノム不安定性を有する進行上皮性卵巣癌、卵管癌、又は原発性腹膜癌の成人患者のベバシズマブ併用による維持療法」、「プラチナ製剤を含む化学療法に対して完全奏効又は部分奏効を示し、病的変異又は病的変異が疑われるgBRCAm又はsBRCAmを有する再発上皮性卵巣癌、卵管癌、又は原発性腹膜癌の成人患者の維持療法」の3件の承認を取得している。
いずれの適応症においても、治療の対象となる患者は、FDAにより承認されたオラパリブのコンパニオン診断に基づき選択される。
◆ガーセル・アクタンMSD研究開発本部グローバル臨床開発担当バイスプレジデント(博士)のコメント
卵巣がん患者さんにとって、治療成績を改善できる可能性のある新たな治療選択肢のアンメットニーズが今も存在している。KEYLYNK-001試験は、キイトルーダとオラパリブで良好な結果が得られた初めてのP3相試験であり、婦人科がんの世界的な影響に対処する研究への当社の取り組みを示すものである。