MSDは11日、ヒアルロニダーゼ変異体のBerahyaluronidase Alfa配合ペキイトルーダ皮下注製剤について、転移性非小細胞肺がん(NSCLC)の成人患者の一次治療を対象としたピボタルP3相MK-3475A-D77試験において、主要評価項目を達成したと発表した。
MK-3475A-D77試験は、キイトルーダ皮下注製と化学療法の併用療法について、キイトルーダ点滴静注と化学療法の併用療法に対する非劣性を評価する試験である。
P3試験では、2つの薬物動態の主要評価項目を達成した。具体的には、キイトルーダ皮下注の6週ごとの投与と化学療法の併用療法は、キイトルーダ点滴静注の6週ごとの投与と化学療法の併用療法に対して、最初の投与サイクルにおけるペムブロリズマブの血中濃度時間曲線下面積(AUC)が非劣性であり、定常状態におけるトラフ濃度(Ctrough)も非劣性であることが示された。
さらに、有効性と安全性の副次評価項目について、ペムブロリズマブ皮下注と化学療法の併用療法は、キイトルーダ点滴静注と化学療法の併用療法と概ね一貫していた。
これらの結果は、現在実施されている解析の結果と合わせ、今後の医学学会で発表し、各国の規制当局に提出していく。
キイトルーダ皮下注の臨床開発プログラムには、P3相MK-3475A-D77試験のほか、PD-L1高発現(TPS [tumor proportion score]≧50%)の転移性NSCLC患者に対する一次治療において、キイトルーダ皮下注の単独投与とキイトルーダ点滴静注の単独投与を比較するP3相MK-3475A-F84試験や、再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫および再発または難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫において、ペムブロリズマブ皮下注の単独投与を評価するP2相MK-3475A-F65試験がある。
また、キイトルーダ皮下注について患者から報告された選好度をキイトルーダ点滴静注と比較するP2相患者選好試験MK-3475A-F11も実施している。
◆マージョリー・グリーンMSD研究開発本部グローバル臨床開発部門がん担当責任者シニアバイスプレジデントの(博士)のコメント
キイトルーダは、特に死亡率の高い様々ながんの治療の変革に寄与してきたが、当社は患者さんにベネフィットをもたらすことができるイノベーションをさらに追求し続けている。
キイトルーダ皮下注は平均約2〜3分で投与されており、点滴静注と比較して患者さんの治療体験の改善と患者さんや医療従事者のアクセス拡大が期待でき、P3試験で良好な結果が得られたことを非常に心強く感じている。この結果を各国の規制当局と速やかに協議していく予定である。